中国広東省広州市の衛生当局は23日夜、市内在住の女性(75)が新型コロナウイルスのインド型変異株に感染していたと発表した。中国本土内の市中感染で、感染力が強いとされるインド型への感染が公表されたのは初めて。
同市の衛生当局によると、女性は体調を崩して20日に市内の病院を訪れ、PCR検査で感染が確認された。女性の夫も感染が確認されたが、感染経路はわかっていない。
同市は即日、周辺地域などで検査を開始。23日午後6時までに約12万8千人を検査したが、他の感染者は確認されていないという。
中国本土では、外国からのウイルスの流入を止めるため、入国者を徹底的に隔離しているが、国境地帯や国際貨物を取り扱う空港、港湾の周辺などでは散発的な市中感染が起きている。衛生当局は感染者が一人見つかる度に関連地域の封鎖や隔離、大規模なPCR検査を即座に実施し、経路も徹底的に洗い出して「感染者ゼロ」にする対策を続けている。
3月下旬から4月にかけては雲南省のミャンマー国境地帯で約120人、5月に入ってからも安徽省と遼寧省の計約40人が一つの経路で市中感染したとみられる例が確認されているが、衛生当局はいずれも「変異株ではない」としている。(瀋陽=平井良和)
朝日新聞デジタル 2021年5月24日 16時08分
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