台湾のデジタル担当相、唐鳳(オードリー・タン)氏は19日、新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、
商業施設などを利用する市民の行動履歴を把握するための新システムを同日からスタートさせると発表した。
従来は店舗入り口で実名を記入する方法が多かったが、新システムでは、携帯電話を使って短時間で確実に履歴を把握できるのが特徴だ。
唐氏らが今月15日から計画を本格化させ、4日で実現にこぎつけた。
唐氏は19日の記者会見で「5秒以内で(履歴を)登録できる」と市民に利用を呼びかけた。
コロナ感染者の行動履歴を徹底的に把握して市民に周知し、感染拡大を防ぐのが狙い。従来は商業施設や店舗などの利用者に対し、
入店時に手書きで実名を記入させるなどしていた。不特定多数の人がペンを使い回す懸念もあった。
新システムではスマートフォンでQRコードを読み取り、利用履歴を登録する仕組み。携帯電話会社が記録を管理し、
必要に応じて政府に情報提供するという。虚偽記載を防げることも利点だ。QRコードを読み取れない携帯電話ではショートメールを使う方法で登録する。
台湾政府は全土の商業施設や店舗などに、このQRコードを利用するよう呼びかけている。
台湾では厳格な水際対策などで感染拡大を封じ込めてきた。だが約1週間前から市中感染が急増し、
累計は19日までに計1386人となった。海外からの入境者なども含めた感染者の累計は同日時点で2533人(死者14人)。
https://mainichi.jp/articles/20210519/k00/00m/030/202000c