コロナで亡くなった750人の遺体が冷凍トラックの中に1年以上放置されていた
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e062e8210ef96dde75191701bb72d0879792b34 昨年の春、新型コロナウイルスの感染爆発が起きたニューヨーク市は、冷凍トラックを用意して遺体を保管した。あまりの死者に遺体安置所に入りきらなくなったからだ。
あれから1年以上、そうした何百体もの遺体がいまだトラックに積まれたまま、ブルックリンのウォーターフロントに放置されていることがわかった。
ニューヨーク市検視局によれば、約750人の遺体が冷凍トラックの中で眠っているという。市議会で報告した当局者らは、速やかに埋葬作業を始め、放置されたままの遺体数を減らしていくとしている。
遺体の大半はブロンクス沖のハート島にある共同墓地に埋葬されるという。ニューヨーク市が過去1世紀以上にわたり、貧困者や引き取り手のない遺体を埋葬してきた場所だ。
検視局のディナ・マニオティスは、「遺族と連絡を取りつつハート島への移送を希望された場合は、すみやかに対応します」と市議会で語った。
アメリカ最大の共同墓地へ
ハート島には100万人以上が眠っているとされ、アメリカ最大の共同墓地である。コロナ禍ではニューヨーク市の死者の10人に1人がこの島に埋葬された可能性があると、コロンビア大学と地元メディア「ザ・シティ」の共同調査は示唆している。
同調査によれば、2020年にハート島に埋葬された成人の遺体は少なくとも2334体。2019年の2倍以上だった。
検視局によると、冷凍トラックに乗ったままの遺体の家族の多くはハート島での埋葬を望んでいるが、遺族と連絡が取れなくなったケースもあるという。
昨年、病院前に連なって停まっていた冷凍トラックは、ニューヨークがコロナ禍で受けた被害の大きさを象徴していた。それから1年余り、この街はようやくコロナ規制が緩和され、日常に戻りつつあるように見えるが、いまだに750人もの遺体が放置されていたのだ。