長崎県・五島列島で、直径約16メートルの世界最大級のオオスリバチサンゴが国立環境研究所などの調査で確認された。成長には1000年を要したとみられ、サンゴ内部から骨格を採取し正確な年代測定を試みる。周辺は西海国立公園に属しており、専門家は、保護の観点から天然記念物指定の必要性を指摘している。(蒲敏哉)
確認されたのは五島列島中央海域にある多々良島北沿岸から約30メートル沖合の水深約16メートル。日本サンゴ礁学会長の山野博哉国立環境研究所生物多様性領域長らが、サンゴ周辺の水中写真などをもとに3D画像を作成し、正確な大きさを測定した。
◆すり鉢が重なるように成長
サンゴはほぼ円形に広がっており、最も長い部分で15・9メートル。高さは6メートルで、その名の通り、すり鉢が重なるように成長していた。
調査は同研究所に海の環境NPO法人「OWS(The Oceanic Wildlife Society)」(東京都渋谷区)のチームが協力。地元のダイビングショップが発見したサンゴを2019年10月から調査し、今年3月の調査で確定的な大きさが分かった。
◆宮崎・高知では直径数メートル程度
山野さんは「学術的に確認された中で現段階で世界最大ではないか」とした上で「宮崎県や高知県でも大きな群体を見たことはあるが直径数メートル程度で、今回のサンゴは飛び抜けて大きい。オオスリバチサンゴは生態も成長率も分かっていないので今後、詳しく調査していきたい」としている。研究結果は11月の日本サンゴ礁学会で発表される予定。
オオスリバチサンゴ イシサンゴ目キサンゴ科の造礁サンゴ。色は緑色や茶褐色で、樹枝状に枝分かれしながらすり鉢状や皿状の群体に成長する。太平洋やインド洋の温帯から熱帯海域に広く分布し、日本では太平洋側は静岡県・沼津、日本海側では対馬海域までが北限とされる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/102182
確認されたのは五島列島中央海域にある多々良島北沿岸から約30メートル沖合の水深約16メートル。日本サンゴ礁学会長の山野博哉国立環境研究所生物多様性領域長らが、サンゴ周辺の水中写真などをもとに3D画像を作成し、正確な大きさを測定した。
◆すり鉢が重なるように成長
サンゴはほぼ円形に広がっており、最も長い部分で15・9メートル。高さは6メートルで、その名の通り、すり鉢が重なるように成長していた。
調査は同研究所に海の環境NPO法人「OWS(The Oceanic Wildlife Society)」(東京都渋谷区)のチームが協力。地元のダイビングショップが発見したサンゴを2019年10月から調査し、今年3月の調査で確定的な大きさが分かった。
◆宮崎・高知では直径数メートル程度
山野さんは「学術的に確認された中で現段階で世界最大ではないか」とした上で「宮崎県や高知県でも大きな群体を見たことはあるが直径数メートル程度で、今回のサンゴは飛び抜けて大きい。オオスリバチサンゴは生態も成長率も分かっていないので今後、詳しく調査していきたい」としている。研究結果は11月の日本サンゴ礁学会で発表される予定。
オオスリバチサンゴ イシサンゴ目キサンゴ科の造礁サンゴ。色は緑色や茶褐色で、樹枝状に枝分かれしながらすり鉢状や皿状の群体に成長する。太平洋やインド洋の温帯から熱帯海域に広く分布し、日本では太平洋側は静岡県・沼津、日本海側では対馬海域までが北限とされる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/102182