世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日の記者会見で、必要な資源を公平に分配すれば、
今後数カ月以内に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を抑制することができると述べた。
テドロス氏は「一貫性と公平性をもって行えばパンデミックを数カ月以内に抑制する手段がある」と指摘。
ただ、世界中の25─59歳の年齢層において新型コロナ感染が「憂慮すべき速さ」で広がっていることに懸念を示し、
感染力の強い変異株が要因になっている可能性があるとした。
一方、会見にオンライン上でゲストとして参加したスウェーデンの環境活動家グレタ・ トゥンベリさんは
「ワクチンナショナリズム」を批判し、富裕国が発展途上国の弱者よりも自国の若年層を優先してワクチン接種を行っていることは倫理的に問題であると主張。
高所得国では4人に1人がワクチンを接種しているのに対し、貧困国では500人以上に1人しか接種していないとし、
「道徳的に正しいのは、高所得国に住んでいようが低所得国に住んでいようが、最も脆弱な立場にある人々を優先することだ」と語った。
また、WHOの緊急委員会は19日、海外旅行の条件としてワクチン接種の証明を求めないよう勧告。
ワクチン接種によって感染が抑制されるかに関する証拠が限られているほか、
「世界的なワクチン分配には根強い不公平感がある」とし、ワクチン接種の証明を要求すれば不公平感を高め、
移動の自由の不平等さを促進することを各国は認識すべきとした。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-who-idJPL4N2MC3QC