「福岡市立中学校の卒業アルバムでは、髪色が黒く修正されていました。私の髪色は茶色です」このようなTwitter上の投稿が話題を呼んでいる。
投稿したのは、過去に講談社主催のオーディション「ミスiD」に参加していたこともある書評家の西田藍さんだ。
西田さんは「私が受けたのは人権侵害であり、人種差別であると思います」と指摘する。BuzzFeed Newsは西田さんと福岡市教育委員会に取材した。
当時、言葉にできなかった違和感
《福岡市立中学校の卒業アルバムでは、髪色が黒く修正されていました。私の髪色は茶色です。自毛です。
高校の入学式、卒アルの他の集合写真と、卒業式の写真を比較すると、私の髪色が、黒い髪の子と比べて明らかに明るいことがわかると思います。
なぜ、髪色が修正されていたのか、答えを知りたいです》
西田さんは4月7日、自身のTwitterアカウントにこのように投稿した。
この卒業アルバムを受け取った当時、何を思ったのだろうか?
「かなり衝撃的でした。その卒業アルバムをもらったのは卒業式の後日だったので、
みんなで楽しく寄せ書きをした後に自分のかお写真を改めてよく見たら、髪色が修正されていたことに気が付きました。その時は絶句しました」
「ちょっと黒っぽくなっているのではなく、明らかに真っ黒に塗りつぶされていた。それに当時10代だった自分にとっては、すごく変な写真になっていたので嫌でした」
だが、すぐには自分の違和感を表に出すことはできなかったと振り返る。
「高校の入学直前だったので問題も起こしたくなかったし、友達にも、『なんかこれ黒くなってるんだけど、やばくない?』みたいにしか言えなかったんです」
「髪の毛の色に関しては、私は中学時代に注意されたことはなかったので、何で最後にこんなことをしたんだろう、
何で卒業アルバムを作る過程で誰も疑問に思わなかったんだろうってショックでした」
西田さんは外国人の父と日本人の母を持つ。
小学校で、自身が外国にルーツを持つことによる周囲との違いを感じる場面もあったが、そこまでネガティブな感情を抱くことはなかったと明かす。
「やっぱりどうしても、見た目などで目立ってしまうということは時々感じました。でも、当時はそこまで深くは考えていなかった。
だから、誰かに見た目について『外国人っぽいね』と言われた時も、それが褒め言葉なのかどうかよくわからずにいました」
中学校では、校則で髪の毛を染めることは禁止されていたからこそ、周囲と違う茶色の髪色を意識するようになった。
日本人で少し髪色が明るい同級生たちは注意を受けたり、「染めていないか?」と聞かれていた。
生まれ持った髪色だが、「自分だけが例外として認められている感覚を覚えたこともあった」という。
高校へ進学すると、「地毛証明書」の提出を求められた。当時は証明書を出すことで守られると教員からは説明を受けていた。
「でも、今振り返ると『地毛証明書』ってすごい言葉ですよね。こんなことをやらせていたんだなと驚きます。
今の私がこれは問題だと思えるようになったのは、最近の報道による影響も大きいんです。
問題のある校則が多いと言われていますが、それは私にとっても他人事ではありませんでした」
近年、校則に関する報道が増える中で、「卒業アルバムの髪色の修正はおかしかった。あの時、抗議すればよかった」と西田さんは母に謝られたという。
「実際、中学校に入学した際、母は私が外国にルーツを持っていることを説明して、
髪色が明るいことをあらかじめ学校側へ伝えていました。色々としてくれていたらしいんです。
でも、まさか最後こんなことになるとは思っていなかった。母は私以上にショックを受けていた。それがTwitterで発信した理由です」
卒業アルバムの件を投稿したところ、自分も最近同じような体験をしたといった声が寄せられた。
教育委員会の回答は?
「2007年当時、市内の中学校でどのようにしていたのかはわかりかねる」
卒業アルバムは各学校ごとに制作しているといい、制作過程については「把握していない」という。
全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f7f4357742fc937322c1f57cd0eeab045da4867?page=1
投稿したのは、過去に講談社主催のオーディション「ミスiD」に参加していたこともある書評家の西田藍さんだ。
西田さんは「私が受けたのは人権侵害であり、人種差別であると思います」と指摘する。BuzzFeed Newsは西田さんと福岡市教育委員会に取材した。
当時、言葉にできなかった違和感
《福岡市立中学校の卒業アルバムでは、髪色が黒く修正されていました。私の髪色は茶色です。自毛です。
高校の入学式、卒アルの他の集合写真と、卒業式の写真を比較すると、私の髪色が、黒い髪の子と比べて明らかに明るいことがわかると思います。
なぜ、髪色が修正されていたのか、答えを知りたいです》
西田さんは4月7日、自身のTwitterアカウントにこのように投稿した。
この卒業アルバムを受け取った当時、何を思ったのだろうか?
「かなり衝撃的でした。その卒業アルバムをもらったのは卒業式の後日だったので、
みんなで楽しく寄せ書きをした後に自分のかお写真を改めてよく見たら、髪色が修正されていたことに気が付きました。その時は絶句しました」
「ちょっと黒っぽくなっているのではなく、明らかに真っ黒に塗りつぶされていた。それに当時10代だった自分にとっては、すごく変な写真になっていたので嫌でした」
だが、すぐには自分の違和感を表に出すことはできなかったと振り返る。
「高校の入学直前だったので問題も起こしたくなかったし、友達にも、『なんかこれ黒くなってるんだけど、やばくない?』みたいにしか言えなかったんです」
「髪の毛の色に関しては、私は中学時代に注意されたことはなかったので、何で最後にこんなことをしたんだろう、
何で卒業アルバムを作る過程で誰も疑問に思わなかったんだろうってショックでした」
西田さんは外国人の父と日本人の母を持つ。
小学校で、自身が外国にルーツを持つことによる周囲との違いを感じる場面もあったが、そこまでネガティブな感情を抱くことはなかったと明かす。
「やっぱりどうしても、見た目などで目立ってしまうということは時々感じました。でも、当時はそこまで深くは考えていなかった。
だから、誰かに見た目について『外国人っぽいね』と言われた時も、それが褒め言葉なのかどうかよくわからずにいました」
中学校では、校則で髪の毛を染めることは禁止されていたからこそ、周囲と違う茶色の髪色を意識するようになった。
日本人で少し髪色が明るい同級生たちは注意を受けたり、「染めていないか?」と聞かれていた。
生まれ持った髪色だが、「自分だけが例外として認められている感覚を覚えたこともあった」という。
高校へ進学すると、「地毛証明書」の提出を求められた。当時は証明書を出すことで守られると教員からは説明を受けていた。
「でも、今振り返ると『地毛証明書』ってすごい言葉ですよね。こんなことをやらせていたんだなと驚きます。
今の私がこれは問題だと思えるようになったのは、最近の報道による影響も大きいんです。
問題のある校則が多いと言われていますが、それは私にとっても他人事ではありませんでした」
近年、校則に関する報道が増える中で、「卒業アルバムの髪色の修正はおかしかった。あの時、抗議すればよかった」と西田さんは母に謝られたという。
「実際、中学校に入学した際、母は私が外国にルーツを持っていることを説明して、
髪色が明るいことをあらかじめ学校側へ伝えていました。色々としてくれていたらしいんです。
でも、まさか最後こんなことになるとは思っていなかった。母は私以上にショックを受けていた。それがTwitterで発信した理由です」
卒業アルバムの件を投稿したところ、自分も最近同じような体験をしたといった声が寄せられた。
教育委員会の回答は?
「2007年当時、市内の中学校でどのようにしていたのかはわかりかねる」
卒業アルバムは各学校ごとに制作しているといい、制作過程については「把握していない」という。
全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f7f4357742fc937322c1f57cd0eeab045da4867?page=1