「風が吹けば桶屋が儲かる」といった類いの話のようだが、コロナの影響によって精子バンクが世界各地で供給不足に陥っている。精子提供者(ドナー)が減る一方、外出が減り私生活を大事にするようになったため、子供を求める女性が多くなったからだ。
米国最大級の精子バンク「シアトル・バンク」は、「販売記録は過去最高を記録し続けています。イギリスやオーストラリア、カナダなど世界で増加しており、人気のドナーの精子は売り切れか、順番待ちの状態です」と深刻な状況を話す。ニュージーランドでは、精子募集の広告「ヒーローが必要です」(写真)が登場。よく見ると、胸のマークが精子になっている。
そのドナーはエリート大学生が多い。米国は、1人の精子から25人までというガイドラインがあり、ますます精子の値段が高騰。前出の精子バンクでは、1回に注入する精子が約12万円。妊娠するのに複数回を要することが多いので、4〜5回分で50万円近くになる。学生にとっては割のいいアルバイトだが、あまりに需要が多いため「人気のドナーは、疲れ果てて精子提供が追いつかない」状態だという。
米国では、精子提供による出産は年3万〜6万人と推定され、そのうち女性の同性愛者が60%、シングル女性が20%、異性愛カップルが20%だそうだ。なお、日本でも医学生などのボランティアによって精子提供されているが、子供10人までという基準(日本生殖医学会)があるため、やはり品薄状態にある。そのためネットでは、精子提供のマッチングサイト、個人の精子ボランティアなどのHPが多数ある。ただし、経歴詐称によるトラブルも世界的に発生しているようなので、女性はご注意を。
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