小田急電鉄の「ロマンスカーミュージアム」が早くも話題となっている。2021年4月19日にオープンするが、内部はどうなっているのか、楽しむポイントはどこかなど、見どころを一足先にご案内しよう。
ロマンスカーミュージアムへ
小田急電鉄、相模鉄道、JR相模線が交わる海老名駅(神奈川県)。その小田急線の駅に隣接した場所にロマンスカーミュージアムはある。西口改札を出てペデストリアンデッキを左に進むとすぐのところにミュージアムのエントランスが見えてくる。
チケットを購入して中に入る(当面、事前予約制)。ここは2階なので、まずは、エスカレータで1階へ。
◆創業時の名車「モハ1」がお出迎え
降りたところには古色蒼然とした茶色の電車が置いてある。「モハ1」という小田急開業当時(1927年)の車両で、近距離用だった。サイドに付いている行先表示板の稲田登戸(右から読む)とは向ヶ丘遊園駅のことである。後部ドアの上部から車内をのぞくことができる。
モハ1の脇はヒストリーゾーンになっていて、小田急の歴史を振り返る4分30秒ほどのショートムービーが投影される。
◆ロマンスカーギャラリーで歴代の名車とご対面
順路に従って進むと、ミュージアムのハイライトというべきロマンスカーギャラリーがある。歴代のロマンスカーが3編成並んでいる。左から、初代「SE」(3000形、1957年登場)、「NSE」(3100形、1963年登場)、「LSE」(7000形、1980年登場)だ。
▼SE
初代ロマンスカーSE(3000形)
SE(Super Express)は、画期的な流線形車両としてデビュー。当時の国鉄にはまだ特急電車がない時代で、国鉄に貸し出して高速走行試験を行い、狭軌の鉄道における世界最高速度・時速145kmを達成している。この結果が国鉄初の電車特急「こだま」を経て、新幹線開業につながったといわれている。
▼NSE
初の前面展望室がついたロマンスカーNSE
NSE(New Super Express)はロマンスカー初の前面展望車で、運転台を2階に上げるスタイルの始まりとなった。筆者が初めて乗ったロマンスカーであり、何回も箱根まで往復した懐かしい車両だ。
▼LSE
2018年に引退したLSE
LSE(Luxury Super Express)は、2018年まで活躍していたので、乗ったことがある人も多いのではないだろうか。SEとNSEは車内見学ができるが、LSEは車内への立ち入りはできない。
ハイデッカータイプのHiSE
SE車とNSE車の編成の脇を通り過ぎると、奥にはHiSE(Hi は High decker, High grade などを表し、特定の単語の略号ではないという)(10000形)とRSE(Resort Super Express)(20000形)が置いてある。HiSEは1両のみの保存で、そのため後部の連接台車の様子がよく分かる。
この車両はバリアフリーではないことが災いし、後から登場したLSEよりも引退が早まった。幸い、2編成が長野電鉄に譲渡され、短い4両編成となりながらも「ゆけむり」として長野〜湯田中間で活躍中である。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b22f841e6dd70204d53aede6d6c2feb314383d0?page=3
3/30(火) 20:45配信