https://www.recordchina.co.jp/b873907-s25-c100-d0193.html
2021年3月23日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国とフランスとの外交衝突がエスカレートしており、中国大使が仏政府から呼び出される事態になったと報じた。
記事は、盧沙野(ルー・シャーイエ)駐仏中国大使が今年2月、フランス上院の台湾交流グループの代表であるアラン・リシャール(Alain Richard)氏に議員訪台団の取り消しを求める書簡を送ったことについて、フランスの中国問題専門家アントワーヌ・ボンダズ(Antoine Bondaz)氏が今月16日に批判を展開したところ、駐仏中国大使館が19日にボンダズ氏をツイッター上で「チンピラ」と罵倒し、フランスの政界、世論から「中国による強硬的で乱暴な『戦狼外交』の現れだ」といった強い反発の声が出たと紹介した。
その上で、フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外相が22日にツイッター上で「中国大使館の公式ツイッターアカウントが再三フランスの議員や学者を侮辱、威嚇したことは受容できない。われわれは言論の自由と民主を体現する人を終始一貫して守る」とコメントし、すでに盧中国大使の召喚を求めたことを明らかにしたと伝えている。
これに対し、中国大使館側が「大使が23日に仏外務省に赴き、新疆ウイグル自治区問題に関するEUの制裁や台湾関連問題についてフランス側に抗議を行う」と回答すると、仏外務省も「中国大使を召喚し、中国外交部によるフランス人欧州議会議員ラファエル・グリュックスマン氏らに対する制裁決定に抗議する」と応酬したことを報じた。
記事によると、グリュックスマン氏は「暴君による制裁を受けることは栄誉だ」とし、中国大使館の態度について「われわれの指導者に少しでも尊厳と国家意識があるならば、即刻大使を呼んで『これ以上横暴を続けるなら、中国に帰れ』と警告すべき」とコメントしているという。
記事は、中国大使館による「戦狼外交」の元締めである盧大使について、2019年の駐カナダ大使時代にカナダ政府が中国によって拘束されたカナダ人2人の釈放を求めたことについて「白人至上的思考の表れ」と批判した経緯を持つと紹介。駐仏大使転任後は香港問題、新型コロナ問題などで再三にわたりフランスや欧州連合(EU)の立場を「デタラメ」と攻撃してきたと伝えている。(翻訳・編集/川尻)