札幌市内で行われた食品関連会社主催のイベントで新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が続発している。今月10日に続き、16日には別の会社主催のイベントでも確認。参加者の大半は高齢者で、飲食のためマスクを外す場面もあったという。二つのクラスターの40人を含む関連の患者計46人は感染力が強いとされる変異株に感染しているか、感染の可能性があるとして入院治療を行っている。
市保健所によると、10日、市内の食品関連会社が主催する販売会でクラスターが判明し、16日現在の患者は計32人。このうち変異株感染者は13人、簡易検査はしていないが感染が濃厚な「みなし変異株感染者」は15人、残る4人は簡易検査で変異株感染の疑いとされている。16日に確認されたクラスターは別会社主催の集会で計8人が感染。うち1人は簡易検査で変異株感染の疑いがあり、残る7人は今後検査する。
変異株感染が確定した13人に海外滞在歴はないが、このうち1人は感染者が出ている道外地域から来訪した。二つのクラスターに含まれない患者6人も簡易検査で変異株感染の疑いが判明し、入院の対象となった。
保健所などによると、参加者はそれぞれ20〜40人規模。講師役が話した後、商品説明や購入手続きの時間があった。会場は換気が行われ、テーブルや椅子は消毒されていたという。
だが市保健所の調査では、いずれも参加者らがマスクを外す機会があったという。セルフ式で飲料が出され、試食品などを提供。参加者の大半は高齢者で、市保健所は「耳の遠い人に聞こえるよう講師役が大きな声を出し、息苦しさなどで高齢者もマスクを外していた可能性はある」とみる。10日の販売会は隣との間隔が50センチ程度だったという。
ペンは使い回しで、使用後は消毒しなかったこともあった。同様のイベントを「はしご」する高齢者も一定数おり、感染拡大につながったとみられている。
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北海道新聞 03/17 05:00
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/522311/