https://www.asahi.com/articles/ASP3253TGP29PLBJ005.html
大阪大学の研究グループは、新型コロナウイルスに対する免疫反応で体内にできる「抗体」の中に、ウイルスに感染しやすくなる働きを持つ抗体があることを発見した。抗体は通常、病気の原因となるウイルスを排除する働きを持つが、いわば「悪さをする抗体」だという。
グループは、新型コロナに感染するとできる抗体を人工的に約70種類つくった。これらの抗体を加えて、新型コロナウイルスが、ヒトの細胞に侵入する際に使う「スパイク」と呼ばれる突起と、細胞の表面たんぱく質の結合の強さが変わるかどうかを実験した。
実験の結果、スパイクと表面たんぱく質の結合を強め、新型コロナウイルスの感染力を高める抗体があることがわかった。この抗体があると、スパイクの構造が変わって結合を強め、感染しやすくなる可能性が示された。