世界遺産「富岡製糸場」(群馬県富岡市)の2020年度の入場者数が、前年度比約63%減の16万人台にとどまる見通しになった。新型コロナウイルスの感染拡大で4、5月に休館したほか、年明けから首都圏などで緊急事態宣言が再発令され、観光客が大幅に減った。富岡市によると、入場料収入の減少により、約1億3000万円の赤字が発生する見込み。【鈴木敦子】
富岡製糸場は市内で最初に新型コロナの感染者が確認された昨年3月29日から臨時休館。県の方針で5月末まで休むことになり、かき入れ時の大型連休を直撃した。4月から予定されていた県やJRなどの大型観光キャンペーン「群馬ディスティネーションキャンペーン(DC)」の目玉施設の一つだったが、DC自体が事実上の中止に。20年度は19年度を約1割上回る50万人の入場者を想定していたが、出はなをくじかれた。
6月の再開後、秋の行楽シーズンの10月には19年度の約8割にあたる3万4131人、11月も3万7270人が訪れ、持ち直したかに見えた。しかし、再び感染者が急増し始めた12月から低迷が続き、20年度の入場者数は2月17日時点で計約15万9000人。3月末までに16万5000人を見込んでおり、年間想定を大きく下回る。
一方、入場者数は世界遺産に登録された14年度の133万人台をピークに15年度は114万人台▽16年度は80万人台▽17年度は63万人台▽18年度は51万人台▽19年度は44万人台――と右肩下がりが続いており、減少ぶりは「コロナ前」から課題になっていた。20年度は県立世界遺産センター(富岡市、略称セカイト)のオープンや、西置繭所(にしおきまゆじょ)の保存整備工事の完了でV字回復を期待していただけに、地元の落胆は大きい。
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https://mainichi.jp/articles/20210223/k00/00m/040/013000c
2021年2月23日 9時07分