13日深夜の地震で東北新幹線の一部区間が不通となった影響で、常磐線の特急「ひたち」の一部列車が、いわき―仙台間も臨時快速列車として運行している。
そのうちの1本「ひたち22号」は、15日夕方に仙台駅を発車し、8時間余りかけて上野駅にたどり着いた。目的地まで何とか乗客を送り届けようとする鉄道会社の姿勢と車内でのきめ細かな対応に、インターネットで鉄道ファンらから感謝や称賛の声が上がった。
JR東日本水戸支社によると、特急「ひたち」は通常、いわき―品川間を運行しているが、13日の地震で東北新幹線の那須塩原以北の一部区間が不通となった影響で、一部列車は臨時に仙台―品川で運転している。
ひたち22号は15日午後1時57分仙台発午後6時52分品川着の予定だったが、悪天候と線路点検の影響で、出発が約4時間遅れの5時55分ごろとなった。
常磐線はこの日、大雨と強風の影響で、速度規制や運転見合わせの区間があった。安全運転が第一のため、ひたち22号は運休も考えられる状況だったが、乗客から強い要望があったことや、東北新幹線が不通となっていることを踏まえ、徐行と停止を繰り返しながら運転。目的地は上野駅に変更となった。
仙台駅からは約200人が乗車。出発時点で大幅な遅延が予想されたことから、JR東は乗客に乾パンと水を配布し、途中の区間でもパンと水、マスクを配った。
東京方面へ向かう車中、乗務員は乗客の降車駅と翌日受験を控える生徒がいないかを確認して回った。降車駅を確認するのは、乗り継ぎの案内などをするためだ。乗客から受験生だという申告はなかった。「受験生でも特別な対応があるわけではないが、この時期なので心配した乗務員が知っておきたかったのでは」と同支社の広報担当者は言う。
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2021年2月16日 13時37分
朝日新聞デジタル