南ア・ブラジル変異株の上陸を阻止せよ! 英「ホテル検疫」破れば禁錮10年と罰金144万円
Newsweek 木村正人2021年02月10日(水)12時10分
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2021/02/10144.php
(略)
■70歳以上への接種はほぼ完了
(略)
マット・ハンコック英保健相は、
嘘をついて「ホテル検疫」を逃れようとした違反者には
最大1万ポンド(144万円)の罰金と禁錮10年を科すと表明した。
「ホテル検疫」の滞在費用1750ポンド(約25万3千円)は自己負担となる。
殺人事件の服役者の約1割は10年以内に出所する。
それだけ南ア・ブラジル変異株の上陸を恐れているということだ。
(略)
「イギリスは変異体を制御する対策を欠いているため、
異なる変異体のるつぼになるかもしれない」と発言した
英レスター大学のジュリアン・タン名誉准教授(臨床ウイルス学)に
コロナウイルスの変異とワクチンについてお伺いした。
ジュリアン・タン名誉准教授
略)
――コロナウイルスには約4千の変異体があるとされ、
大で感染力が70%、感染者の致死率も65%アップしたとされる英変異株のように
大きな変異を遂げた株が発生してきました。
何が起きているのでしょう
(略)
「しかし、これらの変異のほとんどは無害であり、
ただ消えていくだけかもしれません。
人間にとって重要な変異体として存続しているのは
ブラジル変異株や南ア変異株、英変異株のようにほんのわずかです」
――あなたは「イギリスは異なるコロナ変異体のるつぼになる可能性がある」と指摘しましたね
「まあ、ある意味すでにそうなっています。(略)」
――感染性を高める「 N501Y」や、免疫を回避する「E484K」といった変異が
世界の異なる場所で同時に起きたのはなぜだと思いますか
「これらの変異はウイルスが宿主のヒトに適応するのを助けるので、
独立して生じていると私たちは考えています。
このウイルスはもともとコウモリから来たものです。
これらの変異はウイルスが新しいヒトという宿主に適応するのを助けるために
世界中の至る所で発生している可能性があることを覚えておいて下さい」
――私たちはどんな変異を最も警戒する必要がありますか
「ウイルスは常にさまざまな変異を起こしています。
それは現在かかっている選択圧によります。
ウイルスは今や、ヒト集団ではるかに効率的に広がることを可能にするように変異を発展させていく傾向にあります。
デンマークでミンクが新型コロナウイルスに感染しましたが、
動物で発生する変異は宿主が異なるため、ウイルスがヒトに適応するのを助ける変異とは異なります」
――ワクチンによる免疫を逃れる可能性のある南アやブラジルの変異株のニュースに落ち込んでいます。
ワクチン、ロックダウン(都市封鎖)、社会的距離によってウイルスの変異と戦うことはできますか。
私たちの希望は何でしょう
「実は、私はあまり心配していません。
あなた自身に自然に備わっている免疫システムはウイルスと戦うのに非常に優れています。
ワクチンはこれを助けますが、それらは限られた範囲のウイルス変異体に対してのみ機能します。
しかし、あなた自身の免疫システムはすべてと戦うことができます」
「毎年変異し、毎年ワクチンを更新する必要がある(略)可能性があります。
したがってコロナとインフルエンザの季節を暮らさなければならないかもしれません」
■ゲノム解析はまだこれから
――次に何が起こるのでしょうか
「(略)子供たちがすべて自然に感染することが必要になってきます」
――イギリスには、徹底したゲノム解析で新型コロナウイルスの変異株をあぶり出し、
世界中から注目されるCOVID-19ゲノム・コンソーシアム(COG-UK)という
変異を探知できる優れたレーダーがあります
「繰り返しになりますが、
COG-UKでは現時点でイギリス国内のすべてのサンプルの5〜10%しかゲノム解析できません。
(略)
イギリスでさえ、ゲノム解析されていない陽性サンプルの90?95%に
どんなウイルス変異体が存在するのか分からないのです」
――コロナ研究に関して日英包括的経済連携協定(EPA)の枠組みを利用して
日英両国が協力することは可能でしょうか
「これはおそらく両国政府の間で取り決められなければならないでしょう」
Newsweek 木村正人2021年02月10日(水)12時10分
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2021/02/10144.php
(略)
■70歳以上への接種はほぼ完了
(略)
マット・ハンコック英保健相は、
嘘をついて「ホテル検疫」を逃れようとした違反者には
最大1万ポンド(144万円)の罰金と禁錮10年を科すと表明した。
「ホテル検疫」の滞在費用1750ポンド(約25万3千円)は自己負担となる。
殺人事件の服役者の約1割は10年以内に出所する。
それだけ南ア・ブラジル変異株の上陸を恐れているということだ。
(略)
「イギリスは変異体を制御する対策を欠いているため、
異なる変異体のるつぼになるかもしれない」と発言した
英レスター大学のジュリアン・タン名誉准教授(臨床ウイルス学)に
コロナウイルスの変異とワクチンについてお伺いした。
![【コロナ】他の変異株の上陸を阻止せよ!英「ホテル検疫」破れば禁錮10年と罰金144万円 ウィルス学者「毎年ワクチンの更新必要」 [納豆パスタ★]YouTube動画>1本 ->画像>3枚](https://www.newsweekjapan.jp/kimura/kimura20100210075801.jpg)
ジュリアン・タン名誉准教授
略)
――コロナウイルスには約4千の変異体があるとされ、
大で感染力が70%、感染者の致死率も65%アップしたとされる英変異株のように
大きな変異を遂げた株が発生してきました。
何が起きているのでしょう
(略)
「しかし、これらの変異のほとんどは無害であり、
ただ消えていくだけかもしれません。
人間にとって重要な変異体として存続しているのは
ブラジル変異株や南ア変異株、英変異株のようにほんのわずかです」
――あなたは「イギリスは異なるコロナ変異体のるつぼになる可能性がある」と指摘しましたね
「まあ、ある意味すでにそうなっています。(略)」
――感染性を高める「 N501Y」や、免疫を回避する「E484K」といった変異が
世界の異なる場所で同時に起きたのはなぜだと思いますか
「これらの変異はウイルスが宿主のヒトに適応するのを助けるので、
独立して生じていると私たちは考えています。
このウイルスはもともとコウモリから来たものです。
これらの変異はウイルスが新しいヒトという宿主に適応するのを助けるために
世界中の至る所で発生している可能性があることを覚えておいて下さい」
――私たちはどんな変異を最も警戒する必要がありますか
「ウイルスは常にさまざまな変異を起こしています。
それは現在かかっている選択圧によります。
ウイルスは今や、ヒト集団ではるかに効率的に広がることを可能にするように変異を発展させていく傾向にあります。
デンマークでミンクが新型コロナウイルスに感染しましたが、
動物で発生する変異は宿主が異なるため、ウイルスがヒトに適応するのを助ける変異とは異なります」
――ワクチンによる免疫を逃れる可能性のある南アやブラジルの変異株のニュースに落ち込んでいます。
ワクチン、ロックダウン(都市封鎖)、社会的距離によってウイルスの変異と戦うことはできますか。
私たちの希望は何でしょう
「実は、私はあまり心配していません。
あなた自身に自然に備わっている免疫システムはウイルスと戦うのに非常に優れています。
ワクチンはこれを助けますが、それらは限られた範囲のウイルス変異体に対してのみ機能します。
しかし、あなた自身の免疫システムはすべてと戦うことができます」
「毎年変異し、毎年ワクチンを更新する必要がある(略)可能性があります。
したがってコロナとインフルエンザの季節を暮らさなければならないかもしれません」
■ゲノム解析はまだこれから
――次に何が起こるのでしょうか
「(略)子供たちがすべて自然に感染することが必要になってきます」
――イギリスには、徹底したゲノム解析で新型コロナウイルスの変異株をあぶり出し、
世界中から注目されるCOVID-19ゲノム・コンソーシアム(COG-UK)という
変異を探知できる優れたレーダーがあります
「繰り返しになりますが、
COG-UKでは現時点でイギリス国内のすべてのサンプルの5〜10%しかゲノム解析できません。
(略)
イギリスでさえ、ゲノム解析されていない陽性サンプルの90?95%に
どんなウイルス変異体が存在するのか分からないのです」
――コロナ研究に関して日英包括的経済連携協定(EPA)の枠組みを利用して
日英両国が協力することは可能でしょうか
「これはおそらく両国政府の間で取り決められなければならないでしょう」