米国で最多の3900万人が暮らす西部カリフォルニア州で、民主党のニューサム知事のリコールを求める運動が広がっている。
新型コロナウイルス対策への不満が高まり、住民投票の実施に必要な数の9割を上回る署名がすでに集まった。
コロナ対応の巧拙が首長の信任問題に発展しつつある。
ロサンゼルス郊外のレストランで2月上旬、男女のグループが「リコール・ニューサム」と書いた看板を掲げていた。
署名への協力を呼びかけるボランティアだ。
リコール運動の中核団体によれば2月4日までに140万超の署名を集め、住民投票の実施に必要な署名数は残り10万を切った。
コロナをめぐる失策で大規模なリコール運動に発展するのは米国の州知事で初めて。
20年夏に共和党の支持者が始めたリコール運動は、コロナの長期化に伴い党派を超えて勢いを強めた。
「脈絡のない規制で堪忍袋の緒が切れた」と、レストランを経営するアンジェラ・マースデンさん(48)は言う。
年末年始の屋外営業の禁止措置を挙げ「中小企業を殺し、感染リスクの高い室内に人が集まる状況を招いた」と憤る。
カリフォルニアでは規制を強化した20年12月〜21年1月にかけて、2万1556人がコロナで命を落とした。
20年3〜11月の死者を上回る数だ。11月に発覚した高級フレンチでの会食や、その言い訳も知事への失望を誘った。
カリフォルニア大学バークレー校が1月下旬に実施した世論調査では、知事を支持する人は46%と9月の調査時から18ポイント低下した。
コロナの状況は2月に入り若干改善しているものの、期限の3月17日までにリコール投票に必要な有権者の12%(149万5709人)の署名が集まる可能性は高い。
その場合、有効な署名かどうかを確認する手続きを経て、21年後半にも住民投票が行われる。
不信任票が50%を上回ればニューサム氏は解職となり、同時に実施する投票で新たな知事を選ぶことになる。
カリフォルニアでは03年に、IT(情報技術)バブル崩壊と電力危機への対応を誤ったデービス知事(民主)のリコール運動が起きた。
デービス氏は有権者の信任を得られず、共和党から立候補した俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が後継知事となった。
ニューサム氏がリコール投票を迫られれば18年ぶりで、サンディエゴ市の元市長がすでに出馬の意思を示している。
カリフォルニアは民主党の地盤で、シリコンバレーやハリウッドも擁する。
リコール運動の行方次第ではバイデン新政権や産業界に影響が及ぶ可能性は高く、ニューサム氏は支持を取り戻そうとコロナ規制の見直しを進めている。
世論調査で1番多かった知事のコロナ対策への指摘は「一貫性がない」だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN060PI0W1A200C2000000/
新型コロナウイルス対策への不満が高まり、住民投票の実施に必要な数の9割を上回る署名がすでに集まった。
コロナ対応の巧拙が首長の信任問題に発展しつつある。
ロサンゼルス郊外のレストランで2月上旬、男女のグループが「リコール・ニューサム」と書いた看板を掲げていた。
署名への協力を呼びかけるボランティアだ。
リコール運動の中核団体によれば2月4日までに140万超の署名を集め、住民投票の実施に必要な署名数は残り10万を切った。
コロナをめぐる失策で大規模なリコール運動に発展するのは米国の州知事で初めて。
20年夏に共和党の支持者が始めたリコール運動は、コロナの長期化に伴い党派を超えて勢いを強めた。
「脈絡のない規制で堪忍袋の緒が切れた」と、レストランを経営するアンジェラ・マースデンさん(48)は言う。
年末年始の屋外営業の禁止措置を挙げ「中小企業を殺し、感染リスクの高い室内に人が集まる状況を招いた」と憤る。
カリフォルニアでは規制を強化した20年12月〜21年1月にかけて、2万1556人がコロナで命を落とした。
20年3〜11月の死者を上回る数だ。11月に発覚した高級フレンチでの会食や、その言い訳も知事への失望を誘った。
カリフォルニア大学バークレー校が1月下旬に実施した世論調査では、知事を支持する人は46%と9月の調査時から18ポイント低下した。
コロナの状況は2月に入り若干改善しているものの、期限の3月17日までにリコール投票に必要な有権者の12%(149万5709人)の署名が集まる可能性は高い。
その場合、有効な署名かどうかを確認する手続きを経て、21年後半にも住民投票が行われる。
不信任票が50%を上回ればニューサム氏は解職となり、同時に実施する投票で新たな知事を選ぶことになる。
カリフォルニアでは03年に、IT(情報技術)バブル崩壊と電力危機への対応を誤ったデービス知事(民主)のリコール運動が起きた。
デービス氏は有権者の信任を得られず、共和党から立候補した俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が後継知事となった。
ニューサム氏がリコール投票を迫られれば18年ぶりで、サンディエゴ市の元市長がすでに出馬の意思を示している。
カリフォルニアは民主党の地盤で、シリコンバレーやハリウッドも擁する。
リコール運動の行方次第ではバイデン新政権や産業界に影響が及ぶ可能性は高く、ニューサム氏は支持を取り戻そうとコロナ規制の見直しを進めている。
世論調査で1番多かった知事のコロナ対策への指摘は「一貫性がない」だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN060PI0W1A200C2000000/