「北方領土の日」アピール文の変化
「北方領土の日」の7日、北方領土返還要求全国大会(実行委員会主催)がオンラインを交えて東京都内で開かれ、「北方四島が法的根拠のないまま占拠され続けている」などとするアピール文を採択した。安倍政権下の2019年以降は日ロ交渉を考慮した表現となっていたが、交渉の停滞を反映し、従来に近い表現に戻った形だ。
菅義偉首相はビデオメッセージで「これまでの両国間の諸合意を踏まえ、今後も着実に交渉を進めていく」と述べた。「領土問題を解決し、平和条約を締結する」という政府の基本方針には言及しなかった。
北方領土をめぐっては、安倍晋三首相(当時)が18年11月、ロシアのプーチン大統領と会談し、歯舞(はぼまい)群島・色丹(しこたん)島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎にした交渉加速で合意。2島返還を目指す方針に転換し、19年以降の大会アピール文から「不法占拠」などの記述が消えた。
今回も「不法占拠」の文言は使わなかったが、「北方四島が、法的根拠のないままに75年間占拠され続けていることは誠に遺憾」と記した。19年から「領土問題の解決を目指し」としてきた決意表明のくだりも、「四島の返還実現を目指し」と4島返還を明示した記述に戻った。
実行委は内閣府や元島民団体な…(以下有料版で)
朝日新聞 2021/2/7 20:15
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