25年連続の転入超過の東京圏
新型コロナウイルス禍で東京への“人の動き”に明らかな変化が現れている。新型コロナの感染拡大は“東京一極集中”に歯止めをかけるのか――。
筆者は7月20日に「新型コロナで『日本人の東京離れ』がいよいよ現実味を帯びてきた…!」で、新型コロナ禍により東京の人の動きに大きな変化が起きていることを取り上げ、東京一極集中が変わる可能性を取り上げた。
そこで、2020年の東京の人の動きを取り上げ、その後の東京一極集中がどのように変わりつつあるのかを検証してみたい。
総務省の2020年の住民基本台帳人口移動報告(日本人の移動者数)によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への他の道府県からの転入者数は45万9096人、東京圏からの転出者数は36万1091人と、9万9243人の転入超過となった。
これは25年連続の転入超過で、新型コロナ禍にあっても東京圏の人口が増加していることを示している。
だが、そこには大きな変化が現れている。東京圏への転入者数は2019年に比べて4万9540人も減少している。特に、東京圏では昨年7月に1459人の転出超過となり,2013年7月以来、久しぶりに東京を離れる人のほうが多い月となった。その後も、8月、11月、12月と転出超過となっている。
より詳細に東京の人の動きを見るため、東京都に限って動きを見てみよう。
2013年以来の出来事が…
2020年の東京都への転入者数は40万1168人、東京からの転出者数は36万2794人で、転入超過数は3万8374人だった。
前年と比較しても明らかに減少しており(表1)、全都道府県の中で転入超過数が最も縮小している。
この傾向は21大都市(東京都特別区部および20政令指定都市)でも同様だ。
東京都特別区(23区)への転入者数は34万9052人と最も多かったが、転出者数も32万6631人と最も多かった。東京23区では6年連続で転出者数が増加している。転入超過数は2万2421人だったが、これは比較可能な2015年以降で最も少ない。
このように、2020年は東京圏、東京都、東京都23区とも、相変わらず転入者数は多いものの、転出者数がこれまでになく増加しており、転入超過数は暦年で最も少なくなっている(表1)。
これは明らかに、新型コロナが東京の人の動きに変化をもたらしている証左ではないだろうか。
2020年の月別の人の動きを見ると、東京都では3月に急激に転入超過数が増加し、4万1902人となったが、5月には2013年7月以来初めて509人の転出超過となった。
その後も、7月から12月まで転出超過が続いている。これは、東京都23区でもまったく同様だ(表2)。
3月には新入学、新入社により、東京圏を中心に多くの人が転入してくる。しかし、その後は、昨年の政府の緊急事態宣言発出もあり、企業でのテレワーク、大学でのリモート授業などが推進され、東京を離れる動きが加速したものと思われる。
問題はこの動きが継続し、東京一極集中に歯止めがかかるのかという点だろう。やはり、その大きな“鍵”を握っていそうなのは「テレワーク」のようだ。
全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd4ebbc97d2ad28994b5947433f6e5b2052dc699?page=1
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