https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210128/k10012838081000.html
低気圧が急発達 広い範囲で強風 日本海側中心に猛吹雪 警戒を
急速に発達する低気圧の影響で、29日にかけて西日本から北日本の広い範囲で非常に強い風が吹き、日本海側を中心に猛吹雪となる見込みです。交通などに影響が出るおそれがあり、警戒が必要です。
沿岸部風強まる 都内でも雪
気象庁によりますと、日本海にある低気圧が急速に発達しながら東へ進んでいる影響で、沿岸部を中心に風が強まっています。
▽島根県浜田市で午後6時に25.3メートル、▽長崎県の対馬市鰐浦で午後4時半前に23.6メートルの最大瞬間風速を観測しました。
寒気も流れ込んでいるため、東京の都心では正午に6.7度だった気温が午後4時には1.3度と急激に下がり、東京23区では午後になって雪が降りました。
広範囲で暴風に 猛吹雪のおそれも
低気圧の影響で西日本と東日本はこれから、北日本は29日から、風速20メートル以上の非常に強い風が吹くおそれがあります。
風のピークは29日で、予想される最大風速は、
▽北海道と東北、近畿、それに中国地方で25メートル、
▽北陸で23メートル、
▽九州北部で20メートルで、
最大瞬間風速は30メートルから35メートルに達する見込みです。
30日も北日本を中心に非常に強い風が吹くおそれがあります。
広い範囲で暴風に対する警戒が必要で、特に雪が降る地域では、風で巻き上げられた雪で見通しがきかなくなる、いわゆる「ホワイトアウト」にも注意が必要です。
波も高く、
▽北海道から北陸にかけては8メートル、
▽近畿や中国地方の日本海側では6メートルの大しけが予想されています。
29日以降は大雪にも警戒
29日以降、冬型の気圧配置が強まるため、北海道から中国地方にかけての日本海側を中心に大雪にも警戒が必要です。
29日夕方までの24時間に降る雪の量は、いずれも多いところで、
▽北陸で70センチ、
▽新潟県と岐阜県で60センチ、
▽北海道で50センチ、
▽東北と近畿で40センチ、
▽中国地方で30センチと予想されています。
さらに、30日夕方までの24時間には、
▽北陸で40センチから60センチ、
▽東北と近畿、それに新潟県で30センチから50センチ、
▽北海道と岐阜県で20センチから40センチの雪が降る見込みです。
暴風雪・大雪・高波に警戒
気象庁は、暴風雪、大雪、高波に警戒し、雪崩のほか、電線や樹木への着雪による停電にも十分注意するよう呼びかけています。
また、東北や北陸では、低気圧の接近にともなって大気の状態が不安定になる見込みで、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。
急速に発達する低気圧とは
急速に発達する低気圧は、「広い範囲」で「風が強まる」のが特徴です。
猛吹雪などによる交通への影響に警戒するとともに倒木などによる停電にも十分な注意が必要です。
気象庁によりますと、「急速に発達する低気圧」とは24時間以内に中心の気圧が20ヘクトパスカル以上低下する(=勢力が強まる)低気圧のことで、29日の朝にかけて日本海の低気圧が急速に発達し、北日本に近づく見込みだということです。
最大瞬間風速は陸上でも30メートルが予想されるなど、風の強さは、台風並みとも言えますが、暴風や強風が吹く範囲は台風より広くなります。
冬に急発達する低気圧は寒気と暖気がぶつかる範囲が広いため、風の強い範囲も広くなりやすいのです。
トラック横転 停電の危険性も
一般に風速25メートル、瞬間風速40メートルの暴風が吹くと、走行中のトラックが横転したり、木が根こそぎ倒れたりすることがあります。
実際に今月7日から8日にかけては急発達した低気圧の影響で広い範囲で暴風となり、新潟市ではトラックが強風にあおられ、合わせて5台が横転し1人がけがをしました。
また、秋田県では倒木や着雪の影響で延べ6万戸以上が停電しました。
視界が悪い中で車を運転すると、突然、前方に車が見えてブレーキが間に合わず、追突するおそれもあります。
暴風雪のおそれがある時は、車の運転は控えるようにしてください。
停電に備えて燃料式の暖房器具などもあると安心です。
広い範囲で暴風雪おそれ 最新情報に注意を
今回は北海道や東北だけでなく北陸や中国地方、近畿、九州北部でも暴風雪となるおそれがあります。
最新の情報に注意し、暴風が吹いている期間の外出はなるべく控えてください。
2021年1月28日 19時08分 NHK