NASAは、10年以内に国際宇宙ステーション(ISS)を廃棄しようとしている。
NASAとアメリカ議会は、ISSが太平洋に落ちる前に、その代わりになるステーションを軌道上に乗せることを望んでいる。
元NASA幹部によって設立されたスタートアップ、アクシオム・スペースは、全民間の前哨基地「アクステーション」の建設、打ち上げ、組み立てに取り組んでいる。
NASAの元宇宙飛行士であり、アクシオム・スペースの事業開発担当バイス・プレジデントでもあるマイケル・ロペス=アレグリアによると、
NASAが新しいステーションを利用するための費用は、ISSに毎年支出している35億ドルよりもはるかに少ないという。
「それは経済的にも理にかなっている」とロペス=アレグリアはBusiness Insiderに語り、NASAは浮いた予算を月、火星、そしてその先の深宇宙探査に使うことができるとした。
国際宇宙ステーション(ISS)はサッカー場ほどの大きさの実験施設で、時速2万7000km以上の速さで地球の周りを回転している。
この施設にはこれまで20年にわたって継続的に人間が居住してきたが、今、岐路に立たされている。
スペース(SpaceX)が多くの宇宙飛行士をISSに送り込むようになり、彼らは数多くの新しい科学実験を行い、ISSはついに最大限のポテンシャルを発揮できるようになった。
一方で、ISSは老朽化が進んでおり、アメリカ議会は2030年までに宇宙飛行士を退去させ、施設を廃棄することを望んでいる。
政権交代によって退陣する予定のNASA長官、ジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)は、民間セクターを活用する代替案を提唱してきた。
ISSが軌道を外れて太平洋の「宇宙船の墓場」に落ちる前に、民間企業がモジュールの建設、打ち上げ、テストを行って新たな施設を作るのを支援するというアイディアだ。
ワシントン・ポストによると、ブライデンスタイン長官は2020年初頭に上院の公聴会で、もしNASAが地球低軌道の基地から撤退して、その領域を他国に譲り渡せば、「それは悲劇になる」と語った。
だが、急成長中の民間航空宇宙会社アクシオム・スペース(Axiom Space)の計画通りにすべてが進めば、
そのような未来を回避し、地球低軌道上におけるアメリカの強力かつ継続的な存在感を示すことができる。
その上、NASAは、新たな最先端の施設を利用しながら、年間数十億ドルを節約することができるだろう。
ISSの運用と維持のために「NASAはISSの維持管理に年間35億ドル(約3600億円)の予算を投じている。
もちろん、共同で管理している4つの機関も支出している」と、アクシオムの事業開発担当バイス・プレジデントでNASAの元宇宙飛行士でもあるマイケル・ロペス=アレグリア(Michael Lopez-Alegria)は、以前Business Insiderに語った。
「彼らはその予算のいくらかを、アルテミス計画あるいは次の政権が決める計画のもと、深宇宙探査に使いたいと考えている」
この35億ドルのうち、NASAが科学技術開発に投じているのは約5億ドル(約520億円)だけだ。
「例えば、ホテルを所有するのではなく、ホテルの一室を借りれば費用は安くなり、その少ないコストでこれまでと同じメリットを受け続けることができる」とロペス=アレグリアは言う。
「それは経済的にも理にかなっていることだ」
(続きはソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4ecc36d5e9d9f4916f7f2aa8b407bc2bf48baaa