※Forbes JAPAN
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ニューヨーク市内で大麻デリバリーを手掛ける「EZ’s Dispensary」は、毎週日曜日に数千人のユーザーにテキストメッセージを送り、
週替わりの大麻メニューを案内している。ユーザーが量を指定し、住所を記載して返信すれば、すぐにレンタカーに乗ったディーラーが商品を届けてくれる。
嗜好用大麻が合法化されていないニューヨークでは、これらのサービスは違法だが、日常の一部となっている。
大麻が合法化された州では、ラッパーのスヌープ・ドッグが出資する「Eaze」や、アルコール・デリバリーを手掛けるEコマースプラットフォームDrizly傘下の「Lantern」などの、
合法の大麻デリバリーサービスが事業を拡大させている。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、大麻デリバリーの需要は急激に高まり、運営会社は採用を強化し、ベンチャーキャピタルから資金調達を図っている。
サンフランシスコ本拠で、デリバリー企業に管理ソフトウェアを提供する「Onfleet」も、そうした企業の1つだ。
同社の共同創業者でCEOを務めるKhaled Naimは、需要の高まりに対応するため、10月に実施したシリーズAラウンドで1400万ドル(約14億5000万円)を調達した。
「大麻デリバリーは、今年爆発的に成長した」とNaimは話す。同社の売上高は昨年から倍増したが、その主な要因は大麻やアルコールをデリバリーする企業による
新規契約が増えたことだという。
Onfleetの顧客企業には、大手スーパーマーケットのKrogerやレストランチェーンのSweetgreen、薬宅配スタートアップのCapsuleなどが含まれる。
「パンデミックの間、事業の成長を牽引したのはアルコールと大麻だ。今ほど人々が酒と大麻を必要としているときはない」とNaimは話す。
サンフランシスコ本拠の大麻デリバリープラットフォーム「Sava」も、パンデミックを追い風に売上を伸ばしている。
同社は、ハイエンドの大麻プロダクトをサンフランシスコ周辺で配達しており、3月に初めての外出禁止令が発令されて以降、売上高は60%増加したという。
「瞬く間に売上が増えたときは最高の気分だった。成長は今でも継続しており、12月は特に売上が多い」と同社の創業者でCEOを務めるAndrea Brooksは話す。
顧客1人当たりの購入単価も増えており、以前の160ドルから、現在では170ドルを超えるという。
パンデミックになってから最も売れている商品をBrooksに聞くと、「エディブル(大麻入りキャンデイやドリンク)が圧倒的に多い」という答えが返ってきた。
■コロナ収束後も需要は続く見通し
Brooksは、2015年にSavaを設立し、これまでにピーター・ティールが率いるFounders Fundや、大麻スタートアップに特化したVCであるArc View Venturesなどから
220万ドルを調達している。Brooksによると、カリフォルニア州全域や他の州に事業を拡大するため、来年初めに新たな資金を調達する予定だという。
大麻販売のトラッキングプラットフォーム「BDSA」の共同創業者であるRoy Binghamによると、大麻販売に占めるデリバリーとカーブサイド・ピックアップ
(オンラインで注文した商品を店舗の駐車場で受け取るサービス)の割合は、パンデミック前の20%から今春には40%に急増したという。
デリバリーの割合は、直近10ヶ月で微減したが、それでも30%台を維持しているという。
カリフォルニア州に本拠を置く大麻デリバリー「Eaze」は、高まる需要に対応するため、3月以降にドライバーを735名採用した。
同社は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サクラメント、サンディエゴで事業を展開している。
大麻とアルコールのデリバリーを手掛けるEコマースプラットフォーム「Drizly」も、11月の販売量は前年対比350%増となった。
同社は、事業拡大のためニューヨーク本拠のVCであるAvenirが主導したシリーズCラウンドで5000万ドル(約52億円)を調達した。
資金は、展開エリアの拡大やミシガン州とマサチューセッツ州で大麻デリバリーを手掛ける子会社「Lantern」の成長に充当するという。
Drizlyの共同創業で、ヘッジファンド出身のCory Rellasは2013年に同社を設立した。彼はパンデミックによる売上の伸びは一時的なものだと思っていたが、
今では感染の収束後も成長が続くと考えているという。
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