「GoToトラベルの全国一斉停止」という方針転換から一夜明けた15日、全国の観光地や旅行業者からは困惑の声が上がりました。
■キャンセル補償“引き合げ”もホテルからは懸念の声
東京・江戸川区にあるホテル「ホテルイルフィオーレ葛西」は、隣の千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾートまでシャトルバスで約20分という立地が売りです。
今回のGoToトラベル停止でただでさえ痛手のなか、東京が先行して対象外になるということに、この立地ならではの懸念を口にします。
宮城盛章支配人は、「全国ストップは28日なので、(東京自粛開始から)約10日間くらいタイムラグがありますから、その10日間で千葉の方のホテルさんに流れる可能性はあると思います」と話します。
政府は15日、キャンセル時の事業者への補償をこれまでの35%から50%に引き上げると発表し、より手厚い支援をするとしています。
しかし、宮城支配人は「うちのホテルとしては50%しかもらえないっていう感覚ですね。2万円の宿泊費でも1万円しかもらえないので、売り上げは半減しますよね」とも話します。
■党内から不満の声も“旅行業協会会長”二階氏は…
野村総合研究所の試算によりますと、今回のGoTo全国一時停止による経済損失は893億円にも上ります。
その小さくない経済損失覚悟で、政府は感染防止に舵(かじ)を切ったことになります。
この突然の政府の方針転換に、決定直後、自民党幹部からは「どういう趣旨でこういう判断になったのか、聞いていないから分からない。勝手なことしやがって」と不満の声が上がりました。
一方、全国旅行業協会の会長も務める自民党の二階俊博幹事長は「大変な決断だったではないかと思いますが、しっかりとした引き締めの効果が上がるように、各位の努力を期待すると」と話しました。
■埼玉は都への“不要不急の往来”自粛を要請
都の深刻な状況に、“お隣”の埼玉県が動きました。
埼玉県の大野元裕知事は15日、会見で「東京都との往来は可能な限り避けて頂きたいと思います」と話しました。
埼玉県は15日、仕事や学業、医療機関の受診を除いた不要不急の東京都との往来を年末年始を含む当面の間、控えるよう要請したのです。
突然の要請に県民からは、「いや、無理でしょと思います。知人とかあいさつだったりとかもあったりするし。どうしても避けれない気がしますけど」という声が聞かれました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b403508a5c0d736ca83e79277e19b2d9a81f071