小学生から高校生が放課後や長期休暇の時に過ごす放課後等デイサービス事業所で、発達障害児にプログラミングを教える教室が兵庫県尼崎市にある。これまで300人以上が教室で腕を磨き、ソフト開発の仕事に就いた卒業生もいる。保護者らは「論理的に考える力を伸ばし、将来の仕事につながればうれしい」と期待をよせる。
尼崎市に3教室がある「キッズテック」で、現在、発達障害の児童・生徒ら約150人が学ぶ。週1〜2回、習熟度別に分かれ、コンピューターに命令を伝えて動かすためのプログラミングを約1時間、学んでいる。
玉江橋教室(同市昭和通3)では、動作を指示するブロックを画面上で組み立て、独自のキャラクターを動かして簡単なゲームを作っている。小学2年の福本晴紀さん(8)は「オリジナルのキャラクターやゲームを作れるのが楽しい」と笑う。母の泉さん(44)は「集中力が付き、他の子どもたちとも我慢強く接することができるようになり、自信もついた」と話す。
文部科学省の調査(2012年)によると、全国の公立小中学校の児童約5万人の6・5%に発達障害の傾向があった。県障害福祉課によると、放課後等デイサービスは小学生から高校生までの児童・生徒5人につき1人以上の支援員がつくことから、きめ細かな支援ができる。県下では約740カ所の事業所があるが、プログラミングの教室は珍しいという。
教室を運営する「プラスイノベーション」代表の住山健さん(31)は大学卒業後、尼崎市内のNPO法人で発達障害の大人を支援していた。「協調性や社会性がない」と周囲にレッテルを貼られて引きこもりになり、仕事に就けない人を多く見てきた。「子どもの頃から強みを生かす支援が必要」と思うようになり、プログラミング教育が20年から小学校の必修科目となることを知り、4年前に教室を開校した。
中学2年から5年間、教室で学んだ男性(20)は、4月から住山さんの会社で働き、社内業務を効率化するソフトを開発している。男性は「キッズテックに来る前は家に引きこもりがちで、働くなんて想像できなかった」と振り返る。
住山さんは、発達障害の子どもたちを「でこぼこ」と表現する。苦手なことはあるが、好きなことにのめり込む集中力は高いとし、「プログラミング教育を通じて論理的思考や問題を解く力を養い、子どもたちの可能性を引き出したい」と意気込んでいる。
発達障害
脳機能の発達が関係する障害で、読み書き計算が苦手な「学習障害」▽「注意欠陥多動性障害」▽対人関係が苦手でこだわりが強く、感覚過敏や鈍さも伴う「自閉症スペクトラム」−−の三つに分類され、重複する場合もある。年齢や生活環境によっても症状は変わり、引きこもり、うつ病などの二次障害に苦しむこともある。
https://mainichi.jp/articles/20201207/k00/00m/040/091000c.amp?__twitter_impression=true
尼崎市に3教室がある「キッズテック」で、現在、発達障害の児童・生徒ら約150人が学ぶ。週1〜2回、習熟度別に分かれ、コンピューターに命令を伝えて動かすためのプログラミングを約1時間、学んでいる。
玉江橋教室(同市昭和通3)では、動作を指示するブロックを画面上で組み立て、独自のキャラクターを動かして簡単なゲームを作っている。小学2年の福本晴紀さん(8)は「オリジナルのキャラクターやゲームを作れるのが楽しい」と笑う。母の泉さん(44)は「集中力が付き、他の子どもたちとも我慢強く接することができるようになり、自信もついた」と話す。
文部科学省の調査(2012年)によると、全国の公立小中学校の児童約5万人の6・5%に発達障害の傾向があった。県障害福祉課によると、放課後等デイサービスは小学生から高校生までの児童・生徒5人につき1人以上の支援員がつくことから、きめ細かな支援ができる。県下では約740カ所の事業所があるが、プログラミングの教室は珍しいという。
教室を運営する「プラスイノベーション」代表の住山健さん(31)は大学卒業後、尼崎市内のNPO法人で発達障害の大人を支援していた。「協調性や社会性がない」と周囲にレッテルを貼られて引きこもりになり、仕事に就けない人を多く見てきた。「子どもの頃から強みを生かす支援が必要」と思うようになり、プログラミング教育が20年から小学校の必修科目となることを知り、4年前に教室を開校した。
中学2年から5年間、教室で学んだ男性(20)は、4月から住山さんの会社で働き、社内業務を効率化するソフトを開発している。男性は「キッズテックに来る前は家に引きこもりがちで、働くなんて想像できなかった」と振り返る。
住山さんは、発達障害の子どもたちを「でこぼこ」と表現する。苦手なことはあるが、好きなことにのめり込む集中力は高いとし、「プログラミング教育を通じて論理的思考や問題を解く力を養い、子どもたちの可能性を引き出したい」と意気込んでいる。
発達障害
脳機能の発達が関係する障害で、読み書き計算が苦手な「学習障害」▽「注意欠陥多動性障害」▽対人関係が苦手でこだわりが強く、感覚過敏や鈍さも伴う「自閉症スペクトラム」−−の三つに分類され、重複する場合もある。年齢や生活環境によっても症状は変わり、引きこもり、うつ病などの二次障害に苦しむこともある。
https://mainichi.jp/articles/20201207/k00/00m/040/091000c.amp?__twitter_impression=true