2020年12月02日 10時07分 JST
2020年6月にオープンしたスターバックスコーヒージャパンが運営する「サイニングストア」。手話が共通言語のこの店で働くひとりの聴覚障害スタッフにインタビューした。
五十嵐大
Kaori Sasagawa
聴こえない人と聴こえる人が共に働くスターバックスへ
コンビニやスーパーに買い物に行くとき、お店のスタッフが「聴こえない人」である可能性を想像したことがある人はいるだろうか。
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おそらく、ほとんどいないのではないかと思う。接客業に従事する人は、耳が聴こえて当たり前だ――。無意識のうちに、そんな思い込みを抱いている。
それは、聴覚障害者の両親に育てられたぼく自身も同様だった。彼らは耳が聴こえないだけだ。でも、どうしたってできないことがある。それは「聴こえる」を大前提としたことだ。
接客業もそのひとつ。聴こえない人たちにはそもそも「接客業に就く」という選択肢がほとんど与えられていない。でも、それは無自覚の偏見であり、勝手な諦めではないだろうか。そんな気持ちに気づくきっかけとなったのは、とあるお店のニュースだった。
2020年6月27日(土)、東京はJR国立駅の駅ビルに、スターバックス コーヒー ジャパンが運営する「サイニングストア」がオープンした。
Kaori Sasagawa
JR国立駅の駅ビルにオープンしたスターバックス コーヒー ジャパンが運営する「サイニングストア」
この店舗で働くのは、18人の聴覚障害者と5人の聴者。そう、聴こえない人たちと聴こえる人たちが一緒に、カフェの運営を担っているのだ。
お店での共通言語は、手話。挨拶もオーダーを受ける際も、すべてのやり取りに手話が使われる。とはいえ、聴覚障害者専門のお店ではない。ろう学校は近くにあるが、改札の前にある店舗には、圧倒的に聴者の客の方が多くやってくるだろう。
衝撃的だった。同時に、知りたい、とも思った。
聴こえない人たちがどのように接客をするのか、つらいことはないのか、偏見をぶつけられたりしないのか。居ても立っていられなくなったぼくは、お店のスタッフとして働くひとりの聴覚障害スタッフに話を聞かせてもらうことにした。
音を失い、手話と出会った高校時代
Kaori Sasagawa
「サイニングストア」で働く中嶋元美さん
その場がパッと華やぐような笑顔を浮かべ、彼女は手を動かすと「中嶋元美です」と自己紹介した。「もっちー」と呼ばれているという。ぼくも慌てて自己紹介を返そうとするが、緊張していてうまく手が動かせない。そんなぼくを見て、中嶋さんはやさしく笑った。
現在26歳の中嶋さんは、元々、難聴だったという。
「女性の高い声は聴きづらかったんですけど、男性の低い声は聴き取れる状態でした。それが高校2年生の頃、まったく聴こえなくなってしまったんです。いまは障害者手帳の二級を所持しています」
完全に聴こえなくなったとき、中嶋さんはひとつの夢を諦めることになった。
「3歳からバレエを続けていて、将来はバレリーナになりたいと思っていました。でも、聴こえなくなって夢を諦めたんです。とてもショックでした」
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fc45059c5b66bb88c681136
2020年6月にオープンしたスターバックスコーヒージャパンが運営する「サイニングストア」。手話が共通言語のこの店で働くひとりの聴覚障害スタッフにインタビューした。
五十嵐大
Kaori Sasagawa
聴こえない人と聴こえる人が共に働くスターバックスへ
コンビニやスーパーに買い物に行くとき、お店のスタッフが「聴こえない人」である可能性を想像したことがある人はいるだろうか。
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おそらく、ほとんどいないのではないかと思う。接客業に従事する人は、耳が聴こえて当たり前だ――。無意識のうちに、そんな思い込みを抱いている。
それは、聴覚障害者の両親に育てられたぼく自身も同様だった。彼らは耳が聴こえないだけだ。でも、どうしたってできないことがある。それは「聴こえる」を大前提としたことだ。
接客業もそのひとつ。聴こえない人たちにはそもそも「接客業に就く」という選択肢がほとんど与えられていない。でも、それは無自覚の偏見であり、勝手な諦めではないだろうか。そんな気持ちに気づくきっかけとなったのは、とあるお店のニュースだった。
2020年6月27日(土)、東京はJR国立駅の駅ビルに、スターバックス コーヒー ジャパンが運営する「サイニングストア」がオープンした。
Kaori Sasagawa
JR国立駅の駅ビルにオープンしたスターバックス コーヒー ジャパンが運営する「サイニングストア」
この店舗で働くのは、18人の聴覚障害者と5人の聴者。そう、聴こえない人たちと聴こえる人たちが一緒に、カフェの運営を担っているのだ。
お店での共通言語は、手話。挨拶もオーダーを受ける際も、すべてのやり取りに手話が使われる。とはいえ、聴覚障害者専門のお店ではない。ろう学校は近くにあるが、改札の前にある店舗には、圧倒的に聴者の客の方が多くやってくるだろう。
衝撃的だった。同時に、知りたい、とも思った。
聴こえない人たちがどのように接客をするのか、つらいことはないのか、偏見をぶつけられたりしないのか。居ても立っていられなくなったぼくは、お店のスタッフとして働くひとりの聴覚障害スタッフに話を聞かせてもらうことにした。
音を失い、手話と出会った高校時代
Kaori Sasagawa
「サイニングストア」で働く中嶋元美さん
その場がパッと華やぐような笑顔を浮かべ、彼女は手を動かすと「中嶋元美です」と自己紹介した。「もっちー」と呼ばれているという。ぼくも慌てて自己紹介を返そうとするが、緊張していてうまく手が動かせない。そんなぼくを見て、中嶋さんはやさしく笑った。
現在26歳の中嶋さんは、元々、難聴だったという。
「女性の高い声は聴きづらかったんですけど、男性の低い声は聴き取れる状態でした。それが高校2年生の頃、まったく聴こえなくなってしまったんです。いまは障害者手帳の二級を所持しています」
完全に聴こえなくなったとき、中嶋さんはひとつの夢を諦めることになった。
「3歳からバレエを続けていて、将来はバレリーナになりたいと思っていました。でも、聴こえなくなって夢を諦めたんです。とてもショックでした」
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fc45059c5b66bb88c681136