「米国第一」を掲げ国内外で波乱を起こしたトランプ政権の是非が問われた米大統領選挙。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない前代未聞の状況で、激しい選挙戦を終えたトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領はそれぞれ、勝利への手応えを口にした。
◆トランプ氏「勝つことは簡単だ」
【ワシントン=白石亘】トランプ大統領は3日、大統領選に関して「まだ勝利宣言も敗北宣言もスピーチは用意していない」と語った。首都ワシントン近郊にある共和党の選対本部を訪れた際、記者団の質問に答えた。
同日未明まで最終盤の追い込みのためミシガン州など激戦州を遊説で飛び回った。選挙戦を支えたスタッフを慰労するために選対本部に姿を見せると、ややかすれた声で「勝つことは簡単だが、負けることは私にとって決して簡単なことではない」と語った。
トランプ氏は3日夜にはホワイトハウスで、政権幹部らと開票状況を見守る予定だ。トランプ氏を巡っては、一部の激戦州でリードしていれば、大勢が判明する前に早々と勝利宣言をするのではないかとの観測が広がっており、民主党のバイデン陣営が警戒感を強めている。
一方、ホワイトハウス周辺では、トランプ氏の支持者らが姿を見せた。メリーランド州の牧師プレストン・マンチャさん(59)は「トランプ氏は勝てると強く信じている」と語った。マンチャさんは特に経済政策を評価しているといい、「新型コロナウイルスが来る前は、ヒスパニック系や黒人など少数民族の賃金も上がっていた」と話した。
◆バイデン氏「国の精神を取り戻す」
【ウィルミントン(米デラウェア州)=杉藤貴浩】米大統領選の3日、民主党候補のバイデン前副大統領は激戦州ペンシルベニア州に入り、子ども時代を過ごしたスクラントンで住民らを前に演説した。
米メディアによると、バイデン氏は「国をつくっているのは(ニューヨークの金融街)ウォールストリートではなく、中産階級の人々だ」と主張し、格差を拡大させたとされるトランプ政権を批判。「この国の精神を取り戻し、人々を団結させる」と述べ、改めて勝利に意欲を示した。自身の生家に立ち寄り、部屋の壁に「神の恵みで、この家からホワイトハウスへ」と書き込む場面もあった。
同州は、ラストベルト(さびついた工業地帯)を抱え、4年前の前回選ではトランプ氏が白人労働者の支持を集め僅差で勝利。今回も全体の勝敗を左右するとみられており、バイデン氏は最後までてこ入れを図った形だ。
最大都市フィラデルフィアでは、期日前投票の多さから高投票率が期待されることについて「人々はコロナ禍や高い失業率の中、自分たちの声を聞かせたがっている」と評価。午後には自宅のあるデラウェア州ウィルミントンに戻り、副大統領候補のハリス上院議員と共に行う夜以降の演説に備えたとみられる。
現地で当日投票の列に並んだデイジー・サントスさん(55)は「移民問題を是正してくれるバイデン氏に入れた。ただ、選挙の結果を巡って国中で騒乱が起きないか心配だ」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/66248?__twitter_impression=true
◆トランプ氏「勝つことは簡単だ」
【ワシントン=白石亘】トランプ大統領は3日、大統領選に関して「まだ勝利宣言も敗北宣言もスピーチは用意していない」と語った。首都ワシントン近郊にある共和党の選対本部を訪れた際、記者団の質問に答えた。
同日未明まで最終盤の追い込みのためミシガン州など激戦州を遊説で飛び回った。選挙戦を支えたスタッフを慰労するために選対本部に姿を見せると、ややかすれた声で「勝つことは簡単だが、負けることは私にとって決して簡単なことではない」と語った。
トランプ氏は3日夜にはホワイトハウスで、政権幹部らと開票状況を見守る予定だ。トランプ氏を巡っては、一部の激戦州でリードしていれば、大勢が判明する前に早々と勝利宣言をするのではないかとの観測が広がっており、民主党のバイデン陣営が警戒感を強めている。
一方、ホワイトハウス周辺では、トランプ氏の支持者らが姿を見せた。メリーランド州の牧師プレストン・マンチャさん(59)は「トランプ氏は勝てると強く信じている」と語った。マンチャさんは特に経済政策を評価しているといい、「新型コロナウイルスが来る前は、ヒスパニック系や黒人など少数民族の賃金も上がっていた」と話した。
◆バイデン氏「国の精神を取り戻す」
【ウィルミントン(米デラウェア州)=杉藤貴浩】米大統領選の3日、民主党候補のバイデン前副大統領は激戦州ペンシルベニア州に入り、子ども時代を過ごしたスクラントンで住民らを前に演説した。
米メディアによると、バイデン氏は「国をつくっているのは(ニューヨークの金融街)ウォールストリートではなく、中産階級の人々だ」と主張し、格差を拡大させたとされるトランプ政権を批判。「この国の精神を取り戻し、人々を団結させる」と述べ、改めて勝利に意欲を示した。自身の生家に立ち寄り、部屋の壁に「神の恵みで、この家からホワイトハウスへ」と書き込む場面もあった。
同州は、ラストベルト(さびついた工業地帯)を抱え、4年前の前回選ではトランプ氏が白人労働者の支持を集め僅差で勝利。今回も全体の勝敗を左右するとみられており、バイデン氏は最後までてこ入れを図った形だ。
最大都市フィラデルフィアでは、期日前投票の多さから高投票率が期待されることについて「人々はコロナ禍や高い失業率の中、自分たちの声を聞かせたがっている」と評価。午後には自宅のあるデラウェア州ウィルミントンに戻り、副大統領候補のハリス上院議員と共に行う夜以降の演説に備えたとみられる。
現地で当日投票の列に並んだデイジー・サントスさん(55)は「移民問題を是正してくれるバイデン氏に入れた。ただ、選挙の結果を巡って国中で騒乱が起きないか心配だ」と話した。
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