黒川元検事長の定年延長巡る文書開示訴訟、国側争う姿勢 大阪地裁初弁論
毎日新聞2020年9月3日 17時46分(最終更新 9月3日 17時46分)
https://mainichi.jp/articles/20200903/k00/00m/040/133000c
黒川弘務・元東京高検検事長の定年が延長された1月の閣議決定を巡り、国が関連文書を正確に開示していないとして、神戸学院大の上脇博之教授が不開示決定の取り消しなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、大阪地裁(山地修裁判長)であり、国側は争う姿勢を示した。
2月に63歳で退官予定だった黒川氏は定年が半年間延長された。政府は従来、国家公務員の定年延長規定は検察官に適用されないとしてきたが、安倍晋三首相は2月の国会で「検察官にも適用される」と解釈を変更したと答弁した。
上脇教授は、解釈変更が検討された状況を明らかにするため、法務省や人事院などに関連文書を情報公開請求。定年延長について「特に異論を申し上げない」とする人事院の記録など、閣議決定前の文書3点が開示されたが、作成日や作成者名は記載されていなかった。閣議決定後の文書は「不存在」として開示されなかった。
上脇教授は訴訟で「首相答弁とつじつまを合わせるため、閣議決定後に作った文書を決定前に作成したと虚偽の説明をしている疑いが拭えない」と主張している。【藤河匠】