茨城県ひたちなか市の海岸で、白亜紀末期(約7000万年前)のサメの歯化石が見つかったと、ミュージアムパーク県自然博物館(坂東市)などの研究チームが発表した。恐竜時代が終わりを告げる生物大量絶滅を生き延びたとみられるシロワニ属のサメと分かった。白亜紀末期の地層から同属の歯化石が出たのは国内初という。【安味伸一】
歯化石は同館で展示中だ。見つかった場所は、ひたちなか市平磯町の「平磯白亜紀層」(県の天然記念物)を含む那珂湊層群と呼ばれる露出した地層。チームは、海の生態系の解明に役立つ発見だとしている。成果は31日発行の化石研究会の会誌に論文掲載される。
チームによると、同地層からシロワニ属のサメの歯化石2点が見つかった。1点は同属のうち絶滅種カルカリアス・グラシリウス。歯根が大きく二股に分かれるのが特徴。白亜紀を生き延びたのち絶滅した。もう1点の種は特定できていない。
また、サメの仲間で歯の縁がギザギザしているスクアリコラックス属の歯化石も1点確認された。同じ地層から、この二つの属の歯化石が見つかったのも国内初という。
チーム代表の同博物館副主任学芸員の加藤太一さん(31)=古生物学=は「白亜紀末期に、北西太平洋域でシロワニ属のサメが生息していた。化石記録の空白期を埋める発見で、大量絶滅前後の海の生態系を解明するうえで重要な手がかりになる」と話している。
加藤さんは茨城大大学院後期博士課程に在籍中。研究発表の根拠となった絶滅種カルカリアス・グラシリウスの歯化石は大学院の先輩で、福井県立恐竜博物館の薗田哲平研究員(35)が2010年、茨城大の大学院生の時に採集していた。今回、加藤さん、薗田さんら9人の研究チームで成果を導き出した。
同館では「茨城県から産出した恐竜時代末期のサメの歯化石」と題して、那珂湊層群から出たサメの歯化石計7点と採取道具を展示している。12月27日まで。問い合わせは同館(0297・38・2000)。
毎日新聞2020年7月10日 08時58分(最終更新 7月10日 08時58分)
https://mainichi.jp/articles/20200710/k00/00m/040/023000c
歯化石は同館で展示中だ。見つかった場所は、ひたちなか市平磯町の「平磯白亜紀層」(県の天然記念物)を含む那珂湊層群と呼ばれる露出した地層。チームは、海の生態系の解明に役立つ発見だとしている。成果は31日発行の化石研究会の会誌に論文掲載される。
チームによると、同地層からシロワニ属のサメの歯化石2点が見つかった。1点は同属のうち絶滅種カルカリアス・グラシリウス。歯根が大きく二股に分かれるのが特徴。白亜紀を生き延びたのち絶滅した。もう1点の種は特定できていない。
また、サメの仲間で歯の縁がギザギザしているスクアリコラックス属の歯化石も1点確認された。同じ地層から、この二つの属の歯化石が見つかったのも国内初という。
チーム代表の同博物館副主任学芸員の加藤太一さん(31)=古生物学=は「白亜紀末期に、北西太平洋域でシロワニ属のサメが生息していた。化石記録の空白期を埋める発見で、大量絶滅前後の海の生態系を解明するうえで重要な手がかりになる」と話している。
加藤さんは茨城大大学院後期博士課程に在籍中。研究発表の根拠となった絶滅種カルカリアス・グラシリウスの歯化石は大学院の先輩で、福井県立恐竜博物館の薗田哲平研究員(35)が2010年、茨城大の大学院生の時に採集していた。今回、加藤さん、薗田さんら9人の研究チームで成果を導き出した。
同館では「茨城県から産出した恐竜時代末期のサメの歯化石」と題して、那珂湊層群から出たサメの歯化石計7点と採取道具を展示している。12月27日まで。問い合わせは同館(0297・38・2000)。
毎日新聞2020年7月10日 08時58分(最終更新 7月10日 08時58分)
https://mainichi.jp/articles/20200710/k00/00m/040/023000c