7/5(日) 23:04
毎日新聞
世界で展開、「孔子学院」名称変更か 政府系中国語教育機関 イメージ一新狙う?
=ゲッティ
中国政府が世界各国で展開する中国語教育機関「孔子学院」について、中国教育省が主管部門の名称を「孔子学院総部」から「中外言語交流センター」に変更すると、香港紙などが報じている。孔子学院については、世界各国の大学などに併設され中国語教育を推進する一方、中国共産党の影響力を拡大するための機関ともみられており、名称変更でイメージの一新を狙った可能性も指摘されている。
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名称変更については中国のインターネット上で、教育省作成とされる文書が出回っていたが、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」(電子版)は4日、変更の指示があったことを教育省関係者に確認したと報じた。
孔子学院プログラムは2004年に始まり、約160カ国540カ所で展開されている。中国政府が設立費用を支援し、教師なども派遣する仕組みだ。しかし、ここ数年、米議会で運営の不透明性などが指摘され、米中関係が悪化するとともに「中国政府や共産党のプロパガンダに影響される」との批判から、米国内では閉鎖する大学が増えた。
また、欧州でも閉鎖の動きが相次ぐ。欧州で最初に設置されたのは05年のスウェーデンだったが、スウェーデン国籍の香港の書店関係者が18年に中国で拘束された問題などで中・スウェーデン関係が悪化し、今春までにすべての孔子学院が閉鎖されている。
名称変更にはこうした状況を立て直す狙いがあるとみられるが、各国で展開される孔子学院の名前も変わるかどうかは現時点では不明だという。
一方、6月下旬に全米の中国語教師を集めたオンライン上での大会に「中外言語交流センター」トップの肩書で登場した孔子学院総部の幹部は「米国の関係団体との協力の継続を特に希望する。両国民の相互理解促進に貢献したい」と米国での交流事業の継続に意欲を示している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200705-00000064-mai-int