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毎日新聞
道路にアマビエ出現…「飛び出し坊や」が仮装 コロナ終息願い 大津のホテル
完成したアマビエの「飛び出し坊や」の表面=大津市南小松の琵琶レイクオーツカで2020年6月24日午前10時10分、菅健吾撮影
疫病退散の御利益があるとされる妖怪「アマビエ」をモチーフにした交通事故防止看板「飛び出し坊や」が、琵琶湖岸のホテル「琵琶レイクオーツカ」(大津市南小松)に登場した。飛び出し坊や愛好家のホテル支配人らが、新型コロナウイルスの終息を願って作製した。
飛び出し坊やは滋賀県が発祥とされる。同ホテルの山極明宏支配人(53)は9年前、バイクを運転中、道路の路肩に設置されていた飛び出し坊やと目が合ったように感じ、表情の多様さに気付いた。それ以来、各地の飛び出し坊やの写真を撮り続け、その枚数は1000枚を超える。写真展を開催したこともあるという。一方で、飛び出し坊やの作製に関わるのは初めてといい、「念願がかなった」と笑顔を見せる。
新型コロナの感染拡大を受けて、同ホテルは4月25日から5月20日まで営業を自粛していた。この間に、ホテルのスタッフは「何か明るい話題を提供できないか」と話し合った。ホテル前の道路を挟んだ向かい側に近江舞子水泳場があることから、山極さんが「ドライバーや歩行者に注意喚起するため、飛び出し坊やを作ってみよう」と提案。さらに、疫病退散の思いも込めて、アマビエをモチーフにすることに。山極さんがデザインの原案を考え、スタッフの有志5人が約1カ月かけて完成させた。
完成した飛び出し坊やは、縦約120センチ、横約60センチ。髪はエメラルドグリーンとピンクのグラデーションで、同ホテルの作務衣(さむえ)を着用している。表と裏で絵柄が異なり、表面はアマビエが、裏面はアマビエの仮装をした飛び出し坊やが描かれている。「世の中が明るくなってほしい」という思いを込めて、全体的に明るい配色にした。7月1日の近江舞子水泳場のオープンに合わせ、道路から見える位置に設置するという。
デザイン通りに板をカットしたり、色を塗ったりするのに、特に苦労したという。スタッフの平手武さん(26)は「予想以上にうまくできたので、隅から隅まで見て楽しんでいただければ」と話す。山極支配人も「看板を見たお客様が笑ってくれて、明るい話題を提供できた。交通事故もコロナも、なくなってほしい」と願った。【菅健吾】
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