バブル崩壊後も「新宿だけ好景気
さて、新宿が苦境から立ち上がったのは終戦直後だけではありません。
現在の新宿の風景には、バブル景気が終わった後の苦境のさなかで生まれたものが多いことに、お気づきでしょうか。
例えば、東京都庁が丸の内から新宿に移転し、業務を始めたのは1991(平成3)年4月から。この年の2月を最後に景気は後退に入っており「もしかして、この景気は終わりか……」と人々が思い始めたところへ移転したわけです。
その後、景気の後退によって都内でも都市開発は失速していくのですが、新宿だけは別でした。
1994(平成6)年には新宿パークタワー(西新宿3)、1995年には 新宿アイランドタワー(西新宿6)、1996年には東京オペラシティ(西新宿3)と、次々に都市開発が続き「新宿だけ景気がいい」という現象を生み出しました。
その極めつけとなったのが、1996(平成8)年10月にオープンした南口のタイムズスクエア(渋谷区千駄ヶ谷)です。
景気が冷え込んでいるといわれた時期にも関わらず、開店日には1万人が並び売り上げが10億円にもなったというから驚きです。
その後も、南口は長い年月をかけて開発が進み2016年4月にはバスタ新宿(渋谷区千駄ヶ谷)もオープンしました。
この新たなターミナルの誕生で「新宿というけど、ちょっと代々木みたいな雰囲気」があった駅南口は様変わりしたといえます。
「最悪のタイミング」を味方にする街
すっかり新宿駅南口の「顔」となったバスタ新宿(画像:写真AC)
考えてみれば、駅南口には簡易宿泊所が点在する独特の雰囲気がある場所もあったのですが、今では完全に違う街へと変貌(へんぼう)を遂げています。
もともとが敗戦や景気の悪化といった「最悪のタイミング」からスタートするのが得意な新宿。
歌舞伎町などいわゆる「夜の街」では、引き続き集団感染対策に気を緩めることはできませんが、新型コロナウイルスにも負けずに、また新たな発展を遂げるのではないかと期待しています。
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6/27(土) 8:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/37f2a73498dc7618048d2f5b9f7164fccc68ef85?page=2