2020年6月26日 16時16分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200626/k10012485181000.html
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、経済産業省は妊娠や出産についての心配事などの相談に専門家が無料で応じるオンライン窓口を5月から運用しています。この窓口の利用が今後も引き続き見込まれることから、経済産業省は運用期間を8月末まで延長することになりました。
経済産業省は、健康に不安があるものの、新型コロナウイルスの感染の不安から医療機関の受診を控える人などを対象に先月から無料の相談窓口を設置しています。
窓口は4社の企業に委託され内容に応じて医師などの専門家がチャットや電話などでさまざまな相談に対応しています。
窓口には、急な発熱やけがをした場合、すぐに病院に行くべきかや、子どもが体調不良になった際の対処法などの相談が寄せられ、状況に合わせて医師などが応じています。
また一部の窓口では妊娠や出産の相談も扱っていて利用者からは、コロナの影響で妊婦健診が延期になったが、おなかの張りや足のむくみが心配だといった悩みや、里帰り出産ができなくなり、地域のサポートを受けるにはどうすればいいのかといった相談が多く寄せられているということです。
これらの相談は5月は4社合計で1日あたりおよそ5000件寄せられ、6月も3000件から4000件程度の相談があるということです。
経済産業省では今後も一定の利用が見込まれるとして26日までとしていた窓口の設置期間を、8月末まで延長することを決めました。
経済産業省ヘルスケア産業課は「新型コロナウイルスによる健康への不安に対して、引き続き医師等による相談で少しでも不安の解消につなげたい」としています。
小児科と産婦人科専門の相談窓口として運営されている「小児科オンライン」と「産婦人科オンライン」の利用者に話を聞きました。
このうち4月に第1子を出産した29歳の女性は、「産後、子どもの皮膚にトラブルが起きて心配になりましたが、病院に行くにはためらいがありました。専門の小児科医にビデオ通話で症状を見せてアドバイスをもらったことで安心しました」と話していました。
また「産婦人科オンライン」を利用し、5月に出産した30代の女性は「妊娠中のおなかの張りについて助産師に相談しました。命に関わる相談ではないし、病院に行くリスクをおかして聞くほどではないと思いましたが、オンラインで専門家に相談できて安心しました」と話していました。
このほかオンライン窓口には、新型コロナウイルスの影響で集団検診が延期になり子どもの発達が順調かどうか不安だといった声や外出自粛で人との関わりが減る中、妊産婦や母親のメンタルヘルスの相談も寄せられたということです。
産婦人科オンラインの代表を務める産婦人科医の重見大介医師は、「一見ささいなことでも本人にとっては大きな不安なので、オンラインで解決できれば、産後うつなどの精神的な問題をサポートできる可能性もある」と話しています。