ひきこもりや介護、貧困など、さまざまな分野をまたぐ複合的な課題を抱える家庭に対し、市区町村がワンストップで対応できるように国が支援する改正社会福祉法が5日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。来年4月から施行される。
80代の親が、50代のひきこもりの子を支えて困窮し、社会から孤立する「8050問題」では貧困や病気、心身障害など複数の問題を抱えることが多い。だが、自治体の窓口はそれぞれの問題ごとに分かれ、たらい回しにされたり、各部署間で情報が共有されず支援が途絶えたりするケースがあった。
改正法では自治体内の縦割りの弊害をなくし、「断らない相談支援」を目指す。分野ごとに分かれていた交付金も国が新たに枠を超えて使える制度を設け、財政支援する。
このほか複数の社会福祉法人が人材や資金を融通し合い、経営基盤の強化や効率化を図る制度を導入。また、介護人材不足解消のため、専門学校などで学ぶ外国人が卒業後、国家試験に合格しなくても、暫定的に介護福祉士の資格を得られる特例措置を5年間延長する。【村田拓也】
毎日新聞 2020年6月5日 19時13分(最終更新 6月5日 19時13分)
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