新型コロナウイルスの被害拡大で、ここ10年ほどで「留学先として安価で近い」と日本人の英語熱の受け皿として存在感を増していたフィリピンに激震が走っている。日系も多いセブ島の英語学校では、すでに生徒は帰国。身売り話が浮上するなど大きな打撃を受けながらも、各校は家賃の交渉を進め、コロナ後を見据えた新たな形態の授業プログラムも提供し始めている。
「シュウ、生徒は今週末でみんな、それぞれの国に帰国してもらうことにする。ドゥテルテ大統領が学校に生徒を置くなと発表したんだ」。セブ島で最大級の英語学校「SMEAG」を韓国企業と共同で運営する英語研修会社「アチーブゴール」(東京)の代表取締役、渥美修一郎さん(52)のもとに3月13日、パートナーの韓国企業から突然連絡が入った。大統領が首都マニラのロックダウン(都市封鎖)を宣言した直後のことだ。「大統領を甘く見たらだめだ」。その日のうちに急きょ、生徒らに帰国便のチケットを手配するよう呼びかけ、翌週水曜までに帰国させた。
毎年3月は繁忙期だが、今年はいつにも増してセブの英語学校には日本人が多かったという。ほとんど感染者がいないセブで英語を学ぼうと、生徒らが集まったためだ。
現地で計2校を運営する日系の…(以下有料版で)
朝日新聞 2020年5月30日 10時30分
https://www.asahi.com/articles/ASN5Y46TKN5VULFA038.html?iref=comtop_8_04