世界に3本だけ 1762年産のコニャック、史上最高額1600万円で落札
【AFP=時事】「極めて貴重」な1762年産の仏ブランデー「コニャック ・ゴーティエ(Gautier Cognac)」がこのほど競売に掛けられ、史上最高額となる11万8580ポンド(約1600万円)で落札された。
英ロンドンの競売大手サザビーズ(Sotheby's)が28日、明らかにした。
サザビーズによると、落札された「コニャック ・ゴーティエ1762」は「世界にたった3本しか現存しない極めて貴重な品」で、ある一家が19世紀末から保管していた一品。ラベルも製造当時のままだという。
落札したのはアジア人の収集家で、落札価格には蒸留所での「特注体験」が含まれているという。
現存する3本の「コニャック ・ゴーティエ1762」のうち、今回落札されたのは「グランフレール(Grand Frère、兄の意)」と呼ばれる1本。
「妹」は製造元の仏コニャック蒸留所「メゾン・ゴーティエ(Maison Gautier)」の博物館に保管され、「弟」は2014年に米ニューヨークの競売で落札されている。
サザビーズは「グランフレール」について、出品者の曾祖父母がかつて養子に迎えた孤児の少年アルフォンス(Alphonse)から贈られた品だと説明している。
アルフォンスは1870年代に養家から仏コニャック地方に働きに行き、10年後にコニャックの瓶を山積みにした手押し車と共に帰宅した。
そのうちの3本がメゾン・ゴーティエのコニャックだったという。
アルフォンスはやがて第1次世界大戦(World War I)に出征し、それきり帰らなかったとされる。
サザビーズの蒸留酒専門家ジョニー・ファウル(Jonny Fowle)氏は英紙タイムズ(Times)に、「このコニャックはまだ飲める」と述べている。
AFPBB News 2020年5月29日 13時27分
https://news.livedoor.com/article/detail/18334235/