県境間の移動自粛要請が6月に、およそ2カ月ぶりに解除される。人の行き来が失われ、大きな打撃を受けてきた県内の観光関係者からは26日、県の方針決定を受け、安堵(あんど)と歓迎の声が相次いだ。一方、首都圏との往来の本格化はまだ先になりそうで、各観光地は感染防止策を徹底させながら、活気が戻る日を待ちわびる。
【蔵王温泉】
県外客が大半を占める山形市の蔵王温泉。既に営業再開している宿もあるが、多くが今月末までの休業を続けている。同観光協会の伊藤八右衛門会長は自粛解除方針に「一歩前進」と歓迎。本格再開に向け、試行錯誤しながら感染対策を整えているという。一方、宿泊客の約8割は関東から訪れるため、首都圏との行き来が戻らないと経営が厳しい状況に変わりはない。「6月末には運転資金に困る例も出てくるのでは」との心配は続く。「首都圏の感染が早期に収束することを願う。そして行政には観光振興策を次々に打ち出してもらいたい」
【月山スキー場】
月山スキー場(西川町)のリフトと宿泊施設を運営する第三セクター・月山観光開発の阿部和典社長は「ほっとした」と安堵の表情。6月1日から県外客も受け入れるが、県の判断を踏まえ、18日までは5都道県からの人には遠慮してもらうという。ホームページで発信し、全面解除は19日からにする考えだ。そのころには雪が少なくなり、滑走距離が短くなりそうだといい、「解除後に全面滑走が楽しめないとすると少し残念」と本音を吐露した。
【サクランボ園】
「サクランボシーズン直前での移動自粛解除は明るい兆しで、経済復興への第一歩になる」と話すのは木村周司・県さくらんぼ観光果樹園連絡協議会長。県内では受け入れ自粛を決める一方、開園へ準備を進める果樹園もあり「感染リスクはゼロではない」として「安心して楽しんでもらうため感染防止対策を徹底させたい」と気を引き締める。その上で「今後は来てもらうだけでなく、十分対策を取った上で自分たちも隣県を訪ね、消費拡大に貢献するなど、互いに支え合うことが大事になる」と前を見据えた。
【観光推進協】
やまがた観光キャンペーン推進協議会長の国井英夫庄交コーポレーション社長は「首都圏や北海道には感染拡大の不透明さも残るので、まずは近県からとした移動自粛解除はまっとうな判断。観光業界の正常化に向けた大きな一歩になる」と歓迎した。10〜12月の新潟県・庄内エリアポストデスティネーションキャンペーンなどへの準備が急務とし、「旅行ニーズは高まっている。受け入れ側も感染防止策を日常化させる意識が必要」と語った。
山形新聞 2020年05月27日 12:27
https://www.yamagata-np.jp/news/202005/27/kj_2020052700610.php
【蔵王温泉】
県外客が大半を占める山形市の蔵王温泉。既に営業再開している宿もあるが、多くが今月末までの休業を続けている。同観光協会の伊藤八右衛門会長は自粛解除方針に「一歩前進」と歓迎。本格再開に向け、試行錯誤しながら感染対策を整えているという。一方、宿泊客の約8割は関東から訪れるため、首都圏との行き来が戻らないと経営が厳しい状況に変わりはない。「6月末には運転資金に困る例も出てくるのでは」との心配は続く。「首都圏の感染が早期に収束することを願う。そして行政には観光振興策を次々に打ち出してもらいたい」
【月山スキー場】
月山スキー場(西川町)のリフトと宿泊施設を運営する第三セクター・月山観光開発の阿部和典社長は「ほっとした」と安堵の表情。6月1日から県外客も受け入れるが、県の判断を踏まえ、18日までは5都道県からの人には遠慮してもらうという。ホームページで発信し、全面解除は19日からにする考えだ。そのころには雪が少なくなり、滑走距離が短くなりそうだといい、「解除後に全面滑走が楽しめないとすると少し残念」と本音を吐露した。
【サクランボ園】
「サクランボシーズン直前での移動自粛解除は明るい兆しで、経済復興への第一歩になる」と話すのは木村周司・県さくらんぼ観光果樹園連絡協議会長。県内では受け入れ自粛を決める一方、開園へ準備を進める果樹園もあり「感染リスクはゼロではない」として「安心して楽しんでもらうため感染防止対策を徹底させたい」と気を引き締める。その上で「今後は来てもらうだけでなく、十分対策を取った上で自分たちも隣県を訪ね、消費拡大に貢献するなど、互いに支え合うことが大事になる」と前を見据えた。
【観光推進協】
やまがた観光キャンペーン推進協議会長の国井英夫庄交コーポレーション社長は「首都圏や北海道には感染拡大の不透明さも残るので、まずは近県からとした移動自粛解除はまっとうな判断。観光業界の正常化に向けた大きな一歩になる」と歓迎した。10〜12月の新潟県・庄内エリアポストデスティネーションキャンペーンなどへの準備が急務とし、「旅行ニーズは高まっている。受け入れ側も感染防止策を日常化させる意識が必要」と語った。
山形新聞 2020年05月27日 12:27
https://www.yamagata-np.jp/news/202005/27/kj_2020052700610.php