0001夜のけいちゃん ★
2020/05/26(火) 21:51:38.76ID:HtLUfyKT9インターネット上で相手を繰り返し誹謗中傷する迷惑行為は世界中で行われています。インターネット百科事典のWikipediaでも「誰でも記事を編集できる」という点を悪用した個人への誹謗中傷が行われており、特にWikipediaで執筆を行う編集者間での対立がWikipedia上での嫌がらせにつながっているという報告もあります。Wikipediaを運営するウィキメディア財団の理事会が、「Wikpedia内で行われる嫌がらせに対抗するため、編集ポリシーと管理プロセスの改訂を決定した」と発表しました。
(中略)
理事会は声明で「ウィキメディア運動における嫌がらせ、有害な行動、無礼な行動は、私たちが共有する価値観に反しており、私たちのビジョンと使命にとって有害な存在です。理事会は、『人々が生産的に貢献し、建設的に議論でき、歓迎され、包括的で嫌がらせのない空間』の創造が十分に進んでいないと考えています」とコメントし、ウィキメディア財団の新たな行動規範として以下の4点を定めました。
◆1:すべてのウィキメディア運動に拘束力のある最低限のユニバーサル行動規範(UCoC)として、新しいポリシーと管理プロセスを導入する。ポリシー案はウィキメディアコミュニティで話し合った上で2020年8月30日までに、そのポリシーに基づく管理プロセスは2020年末までに理事会に提出する。
◆2:ポリシーや利用規約に準拠しないウィキメディア運動参加者のアクセス禁止、制裁、制限する措置を講じる。
◆3:法的リスクやその他の重大なリスクを伴う場合は除き、コミュニティの全関係者から報告されたケースはさかのぼって検討されるべきであり、コミュニティのメンバーで協力してそのプロセスを作成し、改善する。
◆4:個人の安全を最優先するような方法で、コンプライアンスを実施するコミュニティのメンバーへの支援と協力を大幅に増やす。
ウィキメディア財団の理事会が上記の声明を発表した背景には、2019年に発生したWikipedia編集者同士のトラブルがあると、IT系ニュースメディアのThe Vergeはみています。
ニュースサイト・Slateによれば、精力的に活動していたWikipedia編集者のFram氏が、著作権を軽視した編集方針や他の編集者への無礼で問題視されていたそうです。さらに、少なくとも11人のWikipedia編集者から「Fram氏からWikipedia上に嫌がらせの書き込みをされていた」という報告が上がっていたとのこと。
2019年5月に、Fram氏は、Wikipediaの裁定委員会に対して「引っ込んでろ、黙れ」などといった暴言を投稿。Fram氏の行動を以前から問題視していたウィキメディア財団の信頼と安全チームはFram氏に対し、「Wikipedia編集を1年間禁止する」という処分を2019年6月に下しました。しかし、この処分に対して21人のWikipedia編集者が「ウィキメディア財団はWikipediaコミュニティの自治を尊重するべき」と抗議して集団辞任する事態に発展しています。
理事会はFram氏に関する問題に言及していませんが、「個人のボランティア、ウィキメディア運動参加者、ウィキメディア財団スタッフによる長年の活動を正式なものとし、他人への嫌がらせをやめさせ、ウィキメディア運動への参加を促進します」とコメント。あるWikipedia編集者はWikipediaの議論ボードで、「ウィキメディア財団はWikipediaコミュニティの包括性に干渉すべきではありませんが、正式な行動規範があれば、コミュニティ全体の混乱と敵意が減るでしょう」と述べました。
ソース https://gigazine.net/news/20200526-wikimedia-fight-wikipedia-harassment/