新型コロナウイルスを巡って宮城県で県民が外出を自粛すべきかどうか、わかりにくい状況が生まれている。県は外出自粛を求めていないが、国土交通省は国道に設置した道路情報板で「不要不急の外出は自粛を」と呼びかけ、県が作製した一部のポスターでも外出自粛を求める記載がある。
県は県民に外出自粛を要請していたが、新規感染者の減少を受け、5月7日以降は〈1〉県境をまたいでの移動〈2〉繁華街の接待を伴う飲食店の利用――の自粛にとどめ、外出そのものの自粛要請は解除した。15日からは、店舗によって感染予防策を徹底しているところもあるとして、「施設の感染予防策を確認し、感染防止を徹底するなど注意を呼びかける」と改めた。
一方、道路情報板で外出自粛を呼びかけ続けた同省東北地方整備局は、「感染防止に留意して生活してほしいという思いは県と同じ」と説明するが、読売新聞の指摘を受けた県は22日、「誤解を招く恐れがある」として修正を求め、同局は応じる考えを示した。
ただ、県も疾病・感染症対策室が8日に作製したポスターに「当面の間、不要不急の外出を自粛していただきますようお願いします」と記載している。外出そのものの自粛要請は既に解除していた時期で、「以前の記述を誤って載せていた」と釈明し、今後、修正するという。
高速道路でも違いが見つかった。県は「特定警戒都道府県への移動は避け、その他の県もなるべく移動を控えるよう依頼」としているが、東日本高速道路(NEXCO東日本)は県をまたいでの移動を「厳に控えて」と県よりも強い表現で呼びかけるなど、統一されていない。
2020/05/24 11:19
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200524-OYT1T50069/