政府は25日、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県で続く新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、今月末の期限を待たず、前倒しで解除できるか判断する。23日時点では北海道と神奈川で新規感染者数が解除の目安に届いていないものの、政府は解除を視野に調整している。
安倍晋三首相は23日午後、首相官邸で菅義偉官房長官や加藤勝信厚生労働相、新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相らと感染状況などを分析した。西村氏はその後の記者会見で、5都道県で新規感染者数が減り、空き病床が増えていると指摘。「いい傾向が続いている。専門家に最終的に見ていただき、(解除できるか)判断していただく」と述べた。政府高官は23日夜、「(24日の)数字を見てからだが、(25日の全地域解除は)大丈夫だろう」との認識を示した。
政府は、各地の感染状況や医療体制、感染状況の監視・検査体制などを踏まえ、総合的に解除を判断するとしている。目安の一つとして「直近1週間の新規感染者数の累計が人口10万人あたり0・5人程度以下」を挙げている。
23日午後8時時点の朝日新聞のまとめ(17〜23日)では、東京は0・29人で、3日連続で政府の目安を下回った。23日の新規感染者は2人まで減少し、「解除は問題ない」(官邸幹部)との声が相次ぐ。北海道と神奈川はそれぞれ0・63、0・70と目安をえるが、官邸側は感染者が減少傾向で感染経路がおおむね追えているとして、解除に前向きだ。ただ、もう少し感染者数が落ちてから解除した方がいいとする慎重な意見も専門家にあるという。
解除する場合、政府は25日に医療や経済の専門家でつくる諮問委員会を開き、承認を求める。国会への報告後、対策本部を開いて解除を決める。首相は記者会見して詳細を説明する見通しだ。
政府は宣言を全面的に解除した後の経済や社会活動の回復に向けた指針づくりも進めている。西村氏は23日、マスクの着用や在宅勤務(テレワーク)など新型コロナの感染拡大後の行動変容について、6月に1万人規模のインターネット調査を行うと発表。7月半ばの「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で示す「新しい経済社会の姿」に反映させるという。
緊急事態宣言は、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、4月7日に出された。一時、全国に拡大したが、5月21日までに42府県で解除された。(中田絢子、高木真也)
人口10万人当たりの新規感染者数の推移
前の1週間 直近の1週間
(17〜23日) (10〜16日)
北海道 0・63 1・16
埼玉 0・30 0・24
千葉 0・30 0・11
東京 0・92 0・29
神奈川 0・70 1・14
(朝日新聞まとめ。23日午後7時時点)
朝日新聞 2020/5/23 21:08
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