思いがけない妊娠などに悩んでいる人の相談を無料で受ける広島県の「にんしんSOS広島」で、相談件数が増えている。3、4月は計310件と、1、2月の2・8倍に。県の委託を受ける運営団体によると、10代からの「望まない妊娠」に関する悩みが目立つという。運営団体は「新型コロナウイルス予防のための臨時休校の長期化で、子どもだけで家で過ごす時間が増えた影響がある」とみている。
にんしんSOS広島は月―土曜、スタッフ2人が電子メールと電話で対応している。相談件数は3月に141件と、2018年1月の事業開始以降で初めて月100件を超えた。4月は169件とさらに増加。5月も19日までに51件で、ハイペースが続く。臨時休校が始まる前の1月は48件、2月は61件だった。
運営団体によると、3〜5月の相談者のうち4割が20歳未満で、中学、高校、大学生が多い。内容で最も多いのは、女子からの「生理が遅れている。妊娠したかもしれない」という不安の声だった。「避妊したつもりだが、彼女が妊娠したかもしれない」という男子もいたとしている。
県外で妊娠相談に取り組む他の団体でも、臨時休校中に同様の相談が増えているという。スタッフの女性(48)は「不安や孤独感を抱えながら子どもだけで過ごす時間が増え、性行為の機会が増えているのも背景にある」とみている。
スタッフたちは相談者の気持ちや状況を丁寧に聞き、妊娠や避妊の知識を伝えたり、産婦人科の受診を勧めたりしている。必要に応じて面談し、1人で妊娠検査薬を使うのが怖いという女子には付き添う。
2020/5/20
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