新型コロナウイルスの感染リスクを招く「3密(密閉、密集、密接)」の個人の状況を数値化するサイト「感染リスクを減らそうチャレンジ」(RIR)を、北九州市立大の竹川大介教授(人類学)が開設した。2メートル以内で人と話した回数や、人混みで15分間過ごした回数を1ポイントに換算して毎日合計し、3密の度合いをセルフチェックする。数分で入力でき、今後は年代別や職業別の傾向を分析したいという。【奥田伸一】
竹川教授は南太平洋のバヌアツ共和国で、感染症が島民の生活に与えた影響を現地調査した経験がある。新型コロナの影響で導入されたオンライン授業の教材や市民の感染予防に役立ててもらおうと、感染症専門医や統計専門家の助言を得て4月末に公開した。
希望者は、メールアドレスとハンドルネーム、年代と居住地、対人接触の多い医療関係者や自宅滞在が長い主婦など、3密の状況に応じた六つの職業区分を選んで登録。その後は回答フォームから、その日の3密度を自己採点して送信する。
竹川教授が開設した「感染リスクを減らそうチャレンジ」のトップページ
竹川教授が開設した「感染リスクを減らそうチャレンジ」のトップページ
採点基準は、国が提唱するソーシャルディスタンス(社会的距離)や専門家が感染リスクが高いとする状況などを基に設定。2メートル以内で会話すると1人につき1ポイントで、会話なしで電車や店内など屋内で複数の人と2メートル以内で接する状態が続いた場合、15分につき1ポイントとする。1日の合計ポイント数は自分で計算し、入力に必要な時間は2〜3分という。
1週間分の合計を感染リスクポイントとするが、危険度の基準は設けておらず、参加者全体の平均値との比較など、各自の行動を振り返る参考情報として利用してほしいという。平均値や参加者個人のポイント数の推移は、サイトのデータ分析ページで確認できる。
北九大の学生や知人らが参加しており、人数が増えれば年代別や職業別、地域別の傾向も詳細に分析したい考え。竹川教授は「状況に応じて修正を加え、更に感染リスク回避に役立つサイトにしたい」と話している。感染リスクを減らそうチャレンジはこちら(http://rir.apa-apa.net/)。
毎日新聞 2020年5月20日 11時45分(最終更新 5月20日 11時45分)
https://mainichi.jp/articles/20200520/k00/00m/040/075000c