どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。
総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、都営浅草線「西馬込」駅。
石坂洋二郎、川端康成…文化人に愛された街
「西馬込」駅は、東京都大田区に位置する、都営浅草線の始発駅で、駅の南側には浅草線の車両基地があります。1日の乗降者数は4.8万人ほどです。
西馬込のほか、北馬込、東馬込、南馬込、中馬込がある「馬込」地域。明治以降、「馬込文士村」と呼ばれ、文人・芸術家たちが好んで住んだ邸宅地でした。
駅から徒歩20分ほどの「臼田坂」付近は、特に著名人が多く住み、坂の途中には、『青い山脈』で知られる石坂洋二郎や、
『雪国』で1968年にノーベル文学賞を受賞した川端康成、映画にもなった『おはん』で知られる宇野千代らの似顔絵が記された案内板を見つけることができます。
南馬込4丁目は宇野千代と尾崎士郎が同棲を始めた場所で、あらゆる噂の発信地になることから「馬込放送局」と呼ばれるほどだったとか。
馬込地域は坂道が多く、坂の上から遠景を楽しむことができます。古くから景勝地として親しまれ、近隣の池上や洗足池の頭文字をとって、「馬池洗」(まいせん)と呼ばれていました。
いまでも程よく緑が残る、閑静な住宅街が広がっています。
桜の木が植樹されている通称「馬込桜並木通り」は、1953年、地域の有志達によって100本のソメイヨシノの苗木が植樹された通り。いまでは大田区でも有数の桜の名所として知られ、
「桜並木保存会」が美しい景観を守ってくれています。「佐伯山緑地」は、日本の医学博士、佐伯矩が設立した「栄養学校」の跡地で、いまは季節の草花が楽しめる緑地として整備され、丘の上からは住宅地を一望することができます。
また西馬込のひそかな名所として知られているのが「道々女木橋」(とどめきばし)。前述の都営地下鉄の車両基地の上に掛かる、全長119.8mの陸橋です。ここに集うのが、鉄道ファン。
留置線にずらりと車両が並ぶ光景は圧巻で、まるでジオラマを見ているかのよう。鉄道ファンでなくても楽しめるスポットです。
会社員にとって「始発駅」という最大のメリット
このように、「西馬込」周辺は散策スポットが点在しますが、基本的に閑静な住宅地が広がるエリア。駅周辺にはランドマークとなるような、目立った施設があるわけではありません。このような街の住み心地は、単身の会社員にとってどうなのでしょうか。
まずは家賃水準を見ていきましょう。「西馬込」駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は6.85万円、11分を超えると6.16万円となっています(図表1)。
大田区の家賃水準は、同条件駅10分以内で7.07万円、11分を超えると6.05万円となっており、駅を中心に大田区の水準を若干下回っています。
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25〜29歳で27.5万円、30〜34歳で34.1万円です(図表2)。
企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200519-00026986-gonline-bus_all&p=2
5/19(火) 10:00配信
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