出入国在留管理庁が14日公表した出入国管理統計(速報値)で、4月の外国人新規入国者数は1256人だった。2019年4月の268万3千人から99.9%超減った。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、入国拒否の対象地域を広げ、国際便の数が減った。
前年同月比で9割以上少ない15万人超だった3月から影響が広がった。中国や韓国などに加え、感染が広がった米欧からの入国も大幅に落ち込んだ。
国別で中国は29人(前年同月は59万9千人)、韓国は24人(同54万6千人)、米国は296人(同16万4千人)だった。欧州は全域で58人(同23万7千人)に減った。
シンガポールなど新規入国者数が0人になった国もあった。シンガポールは前年同月は3万6千人の新規入国者がいた。
2月中は外国人の入国を原則拒否する対象を中国の湖北省と浙江省、韓国の大邱(テグ)市などに限っていた。3月に入りイランや欧州の一部に拡大した。4月3日から米国や英国などを含む73カ国・地域に広げた。
海外での都市封鎖(ロックダウン)など世界的に人の往来を規制する動きが続く。日本を発着する国際便の運休や欠航も相次いだ。
新規入国者の減少は国内の観光産業に深刻な影響を与える。財務省が公表した3月の国際収支統計(速報値)によると、訪日外国人の国内消費を示す旅行収支の受取額は724億円で、前年同月比で82%減った。2011年6月以来の低水準だった。
2020/5/14 17:40
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59098860U0A510C2MM8000/