中国では新型コロナウイルスの感染者が急速に減少しており、「抑え込み」に成功した、などと政府が誇示するような状況にある。そんななか、感染の拡大が分かった当初、湖北省武漢市などでコロナ禍の実情を隠蔽した習近平指導部を激しく批判し、新型コロナウイルスを「中国共産党ウイルス」と名指しした北京科学技術大学の陳昭志元教授が逮捕されたことが明らかになった。
また、武漢市に住む女性作家、方方氏が武漢封鎖のほぼ3か月間の模様を記録した『武漢日記』と題する本について、当初は「文学性の高い記録」などと称賛していた中国当局が、この本が米国の大手出版社から発行されることが分かると一転して、方方氏を「売国奴」などと非難するなど強硬な姿勢に転じた。これらは新型コロナ問題が単なる疾病から、政治的、国際的な問題に変わりつつあることを示している。
米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると、陳氏は1月下旬、中国当局が新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐために武漢を都市封鎖し、北京や上海などの大都市圏でも厳しい外出制限を敷くなどの措置についてネットで言及したという。
内容は、「当局が情報を隠蔽したために起こったことであり、新型コロナウイルスは『中国共産党ウイルス』と呼ぶべきだ」などの過激なメッセージだった。
北京の警察当局は4月14日、「社会不安を引き起こし、人心をかく乱した」などとして、陳氏を逮捕。陳氏は警察の取り調べに対して、それらの容疑を強く否定しているという。
陳氏の弁護士はRFAに対して、「陳氏は現在、北京市内の北京市警察本部海淀拘置所に収容されているが、彼は68歳で、高血圧で脳卒中を起こしたほか、認知症にも苦しんでいる。健康上の問題をもあり、すぐに釈放すべきだ」と訴えている。
一方、2010年に、小説の分野で中国で最も権威がある「魯迅文芸賞」を受賞した著名な女性作家、方方氏は武漢市が都市封鎖された2日後の1月25日から市民の生活を中心にネット上で報告。封鎖解除の4月下旬まで続けている。
当局が中国全土への流行拡大を阻止しようと奔走するなか、隔絶された武漢住民の不安や怒りを赤裸々に描いている。住民たちの助け合いや、部屋に日の光が差し込んだ時に感じる小さな喜びについても書くと同時に、超満員の病院で患者が追い返されたといった政治的に微妙な話や、マスク不足や親戚の死についても触れている。
ある日の日記にはこう書かれている。「友人の医師から『人から人への感染があることは、実はわれわれ医者の間ではしばらく前から分かっていた。われわれは上司たちにそれを報告したが、だれも人々に警告しなかった』と聞いた」。
政府から独立したメディアがない共産党独裁国家の中国で、検閲されていない武漢からの報告を読もうと、方方氏のオンライン日記に多くの人が殺到したことにより、こうして日の目を見ることになったのだ。
AFP通信によると、方氏が64歳と高齢で、著名な作家であることから、当局も当初は黙認していた。だが、米国が流行初期の中国の対応が透明性を欠いたために、世界は貴重な時間を無駄にさせられたと非難し、米中間で新たな外交問題になると、SNS上で、方氏に批判的な書き込みも急増。
全文はソース元で
2020.5.14
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200514/for2005140005-n1.html
また、武漢市に住む女性作家、方方氏が武漢封鎖のほぼ3か月間の模様を記録した『武漢日記』と題する本について、当初は「文学性の高い記録」などと称賛していた中国当局が、この本が米国の大手出版社から発行されることが分かると一転して、方方氏を「売国奴」などと非難するなど強硬な姿勢に転じた。これらは新型コロナ問題が単なる疾病から、政治的、国際的な問題に変わりつつあることを示している。
米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によると、陳氏は1月下旬、中国当局が新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐために武漢を都市封鎖し、北京や上海などの大都市圏でも厳しい外出制限を敷くなどの措置についてネットで言及したという。
内容は、「当局が情報を隠蔽したために起こったことであり、新型コロナウイルスは『中国共産党ウイルス』と呼ぶべきだ」などの過激なメッセージだった。
北京の警察当局は4月14日、「社会不安を引き起こし、人心をかく乱した」などとして、陳氏を逮捕。陳氏は警察の取り調べに対して、それらの容疑を強く否定しているという。
陳氏の弁護士はRFAに対して、「陳氏は現在、北京市内の北京市警察本部海淀拘置所に収容されているが、彼は68歳で、高血圧で脳卒中を起こしたほか、認知症にも苦しんでいる。健康上の問題をもあり、すぐに釈放すべきだ」と訴えている。
一方、2010年に、小説の分野で中国で最も権威がある「魯迅文芸賞」を受賞した著名な女性作家、方方氏は武漢市が都市封鎖された2日後の1月25日から市民の生活を中心にネット上で報告。封鎖解除の4月下旬まで続けている。
当局が中国全土への流行拡大を阻止しようと奔走するなか、隔絶された武漢住民の不安や怒りを赤裸々に描いている。住民たちの助け合いや、部屋に日の光が差し込んだ時に感じる小さな喜びについても書くと同時に、超満員の病院で患者が追い返されたといった政治的に微妙な話や、マスク不足や親戚の死についても触れている。
ある日の日記にはこう書かれている。「友人の医師から『人から人への感染があることは、実はわれわれ医者の間ではしばらく前から分かっていた。われわれは上司たちにそれを報告したが、だれも人々に警告しなかった』と聞いた」。
政府から独立したメディアがない共産党独裁国家の中国で、検閲されていない武漢からの報告を読もうと、方方氏のオンライン日記に多くの人が殺到したことにより、こうして日の目を見ることになったのだ。
AFP通信によると、方氏が64歳と高齢で、著名な作家であることから、当局も当初は黙認していた。だが、米国が流行初期の中国の対応が透明性を欠いたために、世界は貴重な時間を無駄にさせられたと非難し、米中間で新たな外交問題になると、SNS上で、方氏に批判的な書き込みも急増。
全文はソース元で
2020.5.14
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200514/for2005140005-n1.html