代理人の弁護士によると、男性は名古屋市出身で、大学卒業後の17年4月に同社に技術職で入社した。東京などの勤務を経て18年7月に奈良事業所に転勤し、同年12月13日に奈良市内の社員寮で自殺した。
事業所では工作機械ロボットのプログラムを作成し、約55キロ離れた伊賀事業所(三重県伊賀市)でロボットにインストールする業務を担当していた。同年9月下旬から時間外労働が増え始め、パソコンの使用履歴によると、亡くなる直前の1カ月で時間外労働が124時間に上り、午前7時ごろから翌日午前3時ごろまで働き続ける日もあった。クレーム対応にも追われていたという。
奈良と伊賀の移動は主に社用車で、9人いたグループで最年少だった男性がほとんど運転を担当していたという。男性は大学時代からプログラミングを学んでいたが、実務は初めてだった。同年11月9日深夜には「疲れたよー、死にたいよー」という独り言が自室のスマートスピーカーに録音されていた。
弁護士によると、労基署は「18年11月30日に精神障害を発病した」と認定したという。遺族に支給されたのは、遺族一時金と葬祭料計約1900万円だった。
男性の父親(61)は記者会見で「息子は夢と希望を持って入社した。それからたった1年9カ月で取り返しのつかない結果になり、残念でならない。会社から自殺について公表してもらいたかった」と声を絞り出した。損害賠償について同社と話し合いを続けるという。
同社の広報担当者は「認定を重く受け止め、ご遺族には及ぶ限りの償いをさせていただきます。今後もより一層の労働災害の防止と社員の健康管理に努めます」とコメントした。【井口慎太郎】
5/12(火) 19:24配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/32e2f453235ff0cb035df988486f14637a9d7257
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