新型コロナウイルスによる死者がおよそ8万人にのぼるアメリカでは、死者の30%以上を高齢者施設の入居者らが占めていて、ニューヨーク州は、感染の予防や隔離のための人員や設備が十分でない施設は営業許可を取り消すと警告しました。
医療に関する統計をまとめているアメリカの財団によりますと、アメリカでは7日現在で、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の38%にあたるおよそ2万5000人が高齢者施設で亡くなっています。
ニューヨーク州のクオモ知事は、10日の記者会見で高齢者施設での感染予防が「最優先の課題の1つだ」と述べ、重点的に対策をとっていく方針を改めて打ち出しました。
具体的には、感染した入居者を隔離したり、感染を予防する設備が十分でなかったりする高齢者施設は、感染した入居者を別の施設に移さなければならず、違反した場合は施設の設置許可を取り消すとしています。
また、施設の職員に対し、ウイルスの検査を必ず、週に2回行うよう新たなルールを実施するとしています。
ニューヨーク州では、患者の最期をみとる時以外に家族が施設を訪問することも禁止していて、クオモ知事は、「とても厳しい措置だが、もっともぜい弱な人たちを守るためには必要だ」と述べて、感染拡大が抑制されるまで厳しい対策を
続けていくことに理解を求めました。
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200511/k10012424521000.html