Web東奥5/11(月) 9:21配信
電話相談による自殺防止活動を行っているNPO法人「あおもりいのちの電話」(青森県弘前市)に、新型コロナウイルスに関係する相談が多数寄せられている。4月に緊急事態宣言が出て以降、精神的ストレスや生活苦を訴える相談が急増。「人と会えず、気持ちが落ち込む」「感染が怖くて、医療機関に行けない」「今後どうなるのか」。見えないウイルスの恐怖と、先行きの不透明さに不安を抱く声が目立つという。
同法人には、通常月200件前後の相談が寄せられている。コロナに関する相談は2月が6件、3月は10件だったが、4月は集計中の段階で、111件中20件がコロナ関連だった。最終的には40件以上になりそうだという。
最も多く寄せられているのが「人と会えず気がめいる。鬱(うつ)気味になる」と、外出できないつらさを訴える相談。精神疾患がある人は「図書館などが閉館し、行くところがない」と、心の病がさらに悪化している様子を伝えた。
「医療機関を受診したいが、感染するのが怖い」「持病があるので、感染したらどうなるのか」と、治療の必要性と感染リスクの間で悩む声もある。
ある相談者は「親が感染を恐れてデイサービスに行かなくなった。その分、自分が家で介護しなければならない」と心身の負担増加を打ち明けた。居住地不明のある男性は「陽性になって不安でたまらない」と、切実な悩みを寄せた。
女性と一緒に暮らしている若い男性は「生活費が足りず、生活できない。彼女を養っていけない」と、政府の経済対策の遅さに怒りを表した。
相談者の年代は通常、壮年期以上が多いが、今は30代を中心に比較的若い世代が目立つという。
事務局長の藤林正雄さん(青森大教授)は「4月の緊急事態宣言後、コロナを身近なこととして不安を抱く人が増えた。東日本大震災の時は、悲惨な状況を目にして恐怖感を訴える人が多かった。今回は、見えない恐怖、先が見えない不安から、相談を寄せる事例が多い」と語る。
さらに「一人で悩んでいると、追い詰められた感じが強くなり、視野が狭くなってしまう。何か心身の異変を感じたら相談してほしい」と述べた。
悩み相談の電話番号は(ソースでご確認ください)。時間は毎日正午から午後9時。
▼外出自粛で相談員不足
電話相談による自殺防止活動の草分けである「あおもりいのちの電話」は、1995年開設。匿名のボランティア相談員が、匿名の相談者の心の悩みに電話を通して耳を傾ける。経済的相談などは、行政など関係機関窓口を紹介している。
現在の相談員は50人弱だが、コロナウイルスの影響で公共交通手段の利用を控えて活動を自粛している人もおり、人員不足が深刻化している。また、月1回の研修会も感染防止のため現在休止している。相談員のモチベーションを維持するのが課題となっているという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200511-00000003-webtoo-l02
電話相談による自殺防止活動を行っているNPO法人「あおもりいのちの電話」(青森県弘前市)に、新型コロナウイルスに関係する相談が多数寄せられている。4月に緊急事態宣言が出て以降、精神的ストレスや生活苦を訴える相談が急増。「人と会えず、気持ちが落ち込む」「感染が怖くて、医療機関に行けない」「今後どうなるのか」。見えないウイルスの恐怖と、先行きの不透明さに不安を抱く声が目立つという。
同法人には、通常月200件前後の相談が寄せられている。コロナに関する相談は2月が6件、3月は10件だったが、4月は集計中の段階で、111件中20件がコロナ関連だった。最終的には40件以上になりそうだという。
最も多く寄せられているのが「人と会えず気がめいる。鬱(うつ)気味になる」と、外出できないつらさを訴える相談。精神疾患がある人は「図書館などが閉館し、行くところがない」と、心の病がさらに悪化している様子を伝えた。
「医療機関を受診したいが、感染するのが怖い」「持病があるので、感染したらどうなるのか」と、治療の必要性と感染リスクの間で悩む声もある。
ある相談者は「親が感染を恐れてデイサービスに行かなくなった。その分、自分が家で介護しなければならない」と心身の負担増加を打ち明けた。居住地不明のある男性は「陽性になって不安でたまらない」と、切実な悩みを寄せた。
女性と一緒に暮らしている若い男性は「生活費が足りず、生活できない。彼女を養っていけない」と、政府の経済対策の遅さに怒りを表した。
相談者の年代は通常、壮年期以上が多いが、今は30代を中心に比較的若い世代が目立つという。
事務局長の藤林正雄さん(青森大教授)は「4月の緊急事態宣言後、コロナを身近なこととして不安を抱く人が増えた。東日本大震災の時は、悲惨な状況を目にして恐怖感を訴える人が多かった。今回は、見えない恐怖、先が見えない不安から、相談を寄せる事例が多い」と語る。
さらに「一人で悩んでいると、追い詰められた感じが強くなり、視野が狭くなってしまう。何か心身の異変を感じたら相談してほしい」と述べた。
悩み相談の電話番号は(ソースでご確認ください)。時間は毎日正午から午後9時。
▼外出自粛で相談員不足
電話相談による自殺防止活動の草分けである「あおもりいのちの電話」は、1995年開設。匿名のボランティア相談員が、匿名の相談者の心の悩みに電話を通して耳を傾ける。経済的相談などは、行政など関係機関窓口を紹介している。
現在の相談員は50人弱だが、コロナウイルスの影響で公共交通手段の利用を控えて活動を自粛している人もおり、人員不足が深刻化している。また、月1回の研修会も感染防止のため現在休止している。相談員のモチベーションを維持するのが課題となっているという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200511-00000003-webtoo-l02