新型コロナウイルスの感染拡大で、自殺相談を受ける団体に電話が相次いでいる。「収入が減り生活が立ちゆかない」「人と会う機会が減り孤独を感じる」といった不安から自殺を考える人が多いという。
この団体の職員は「緊急事態宣言が延長され、さらに自殺を考える人が増える可能性がある。1人で抱え込まず、心の内を打ち明けてほしい」と呼びかける。
子どもらと心中することさえ考えた」。東京都の40代女性は、経営するIT系企業の業績が悪化し、3月下旬ごろから自殺を考え始めた。
2月下旬以降、景気の先行きを懸念する顧客からシステム納入のキャンセルが相次いだ。
月600万〜700万円あった売り上げは3月はほぼゼロに。
消費者金融などから個人で約400万円を借り、約20人いる社員への給与支払いに充てた。
4月に入ると感染拡大で営業も満足にできなくなった。夫の給与や家族の預金を会社の運転資金に充て、貯蓄は底を突きかけている。
5月分の社員の給与は確保できたが、それ以降を考えると不安が尽きない。体調も悪化し、医師に適応障害と診断された。
「葬式はしない」「保険関連の証書は机の本棚」。女性は家族宛てに「遺書」のようなメモを書いたファイルを自宅のパソコンに保存している。約7年飼った愛犬は保護団体に引き渡した。
将来のある2人の子どものことを考えると簡単に死は選べない。それでも「自分が死ねば保険金がおりるかもしれない」という思いは消えない。
千葉県の無職の女性(31)は長引く外出自粛に心の不調を感じている。
精神疾患を抱え、通院しながら1人で暮らす。友人と週1回程度会うことが心の支えだったが、宣言が出てからは会えていない。通院の頻度も減り、孤独な環境に不安が増す。
好きなお笑い芸人が出演するラジオ番組を聞くと笑顔になれるが「何カ月もこの状況が続くなら、死んじゃおうかと思うことがある」と吐露する。
◇失業や家族との関係に悩む人多く
自殺専門の相談回線を持つ「よりそいホットライン」には相談が相次ぐ。運営団体の一つであるNPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」(東京都)によると、コロナ関連の相談は2月6件、3月23件で、4月は156件と急増した。
元々抱えていた不安が感染拡大であおられた▽失業などで生活が行き詰まった▽外出できず家族との関係が悪化しストレスを抱える――といった相談が多いという。
清水康之代表は「経済悪化で自殺者数が初めて3万人を超えた1998年と同じ状況を作らない、を合言葉に相談に当たっている」と話す。
「福島いのちの電話」の三瓶弘次事務局長は「東日本大震災の時もそうだったが、状況が落ち着いたら不安を直視し、自殺を考える人が増える傾向にある。
相談する人は氷山の一角。私たちはしっかり耳を傾けるので、悩みを話してほしい。それだけでも小さな光が見えてくる」と呼びかける。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcf3690f621aef4d5e795a005715e244952d1b98
5/9(土) 5:32配信
この団体の職員は「緊急事態宣言が延長され、さらに自殺を考える人が増える可能性がある。1人で抱え込まず、心の内を打ち明けてほしい」と呼びかける。
子どもらと心中することさえ考えた」。東京都の40代女性は、経営するIT系企業の業績が悪化し、3月下旬ごろから自殺を考え始めた。
2月下旬以降、景気の先行きを懸念する顧客からシステム納入のキャンセルが相次いだ。
月600万〜700万円あった売り上げは3月はほぼゼロに。
消費者金融などから個人で約400万円を借り、約20人いる社員への給与支払いに充てた。
4月に入ると感染拡大で営業も満足にできなくなった。夫の給与や家族の預金を会社の運転資金に充て、貯蓄は底を突きかけている。
5月分の社員の給与は確保できたが、それ以降を考えると不安が尽きない。体調も悪化し、医師に適応障害と診断された。
「葬式はしない」「保険関連の証書は机の本棚」。女性は家族宛てに「遺書」のようなメモを書いたファイルを自宅のパソコンに保存している。約7年飼った愛犬は保護団体に引き渡した。
将来のある2人の子どものことを考えると簡単に死は選べない。それでも「自分が死ねば保険金がおりるかもしれない」という思いは消えない。
千葉県の無職の女性(31)は長引く外出自粛に心の不調を感じている。
精神疾患を抱え、通院しながら1人で暮らす。友人と週1回程度会うことが心の支えだったが、宣言が出てからは会えていない。通院の頻度も減り、孤独な環境に不安が増す。
好きなお笑い芸人が出演するラジオ番組を聞くと笑顔になれるが「何カ月もこの状況が続くなら、死んじゃおうかと思うことがある」と吐露する。
◇失業や家族との関係に悩む人多く
自殺専門の相談回線を持つ「よりそいホットライン」には相談が相次ぐ。運営団体の一つであるNPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」(東京都)によると、コロナ関連の相談は2月6件、3月23件で、4月は156件と急増した。
元々抱えていた不安が感染拡大であおられた▽失業などで生活が行き詰まった▽外出できず家族との関係が悪化しストレスを抱える――といった相談が多いという。
清水康之代表は「経済悪化で自殺者数が初めて3万人を超えた1998年と同じ状況を作らない、を合言葉に相談に当たっている」と話す。
「福島いのちの電話」の三瓶弘次事務局長は「東日本大震災の時もそうだったが、状況が落ち着いたら不安を直視し、自殺を考える人が増える傾向にある。
相談する人は氷山の一角。私たちはしっかり耳を傾けるので、悩みを話してほしい。それだけでも小さな光が見えてくる」と呼びかける。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcf3690f621aef4d5e795a005715e244952d1b98
5/9(土) 5:32配信