米紙ニューヨーク・タイムズは、新型コロナウイルスに関する2つの新たな研究成果を紹介し、学校再開で子供が新型コロナウイルスの感染を広げる可能性があると報じた。同紙の取材に応じた専門家は、学校再開に慎重な姿勢を示し、再開の場合もグループを分けた登校や机の間隔の拡大などを求めている。
中国やイタリア、米国の疫学者らの研究チームは、中国の武漢と上海をケースに、米国科学振興協会(AAAS)が発行する科学誌「サイエンス」に報告した。子供の感染比率は大人の3分の1だったが、学校再開後には接触の増加で、大人と同様の比率になったという。
研究に参加したイタリアのブルーノ・ケスラー財団の疫学者は「学校を再開した場合、(1人の患者から新たに何人が感染するかを示す)再生産数が大幅に上昇する」と指摘した。
ドイツのウイルス学者らは、大人と子供ではウイルス保有の比率は有意な差がないとの研究をまとめた。ベルリンの研究所で6万人の検体を調べた。研究を主導した学者は、米国の学校再開について「早すぎる」と指摘した。
ニューヨーク・タイムズは研究成果について「決定的ではない」と指摘しながらも、「学校閉鎖を続けるのに十分な証拠」と分析している。
同紙によると、イスラエル、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、英国がすでに学校を再開したか、今後数週間での再開を検討している。
日本経済新聞 2020年5月9日 4:01 (2020年5月9日 6:13 更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58909500Z00C20A5NNE000/
中国やイタリア、米国の疫学者らの研究チームは、中国の武漢と上海をケースに、米国科学振興協会(AAAS)が発行する科学誌「サイエンス」に報告した。子供の感染比率は大人の3分の1だったが、学校再開後には接触の増加で、大人と同様の比率になったという。
研究に参加したイタリアのブルーノ・ケスラー財団の疫学者は「学校を再開した場合、(1人の患者から新たに何人が感染するかを示す)再生産数が大幅に上昇する」と指摘した。
ドイツのウイルス学者らは、大人と子供ではウイルス保有の比率は有意な差がないとの研究をまとめた。ベルリンの研究所で6万人の検体を調べた。研究を主導した学者は、米国の学校再開について「早すぎる」と指摘した。
ニューヨーク・タイムズは研究成果について「決定的ではない」と指摘しながらも、「学校閉鎖を続けるのに十分な証拠」と分析している。
同紙によると、イスラエル、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、英国がすでに学校を再開したか、今後数週間での再開を検討している。
日本経済新聞 2020年5月9日 4:01 (2020年5月9日 6:13 更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58909500Z00C20A5NNE000/