大学などの学費負担を軽減する国の修学支援制度を巡り、新型コロナウイルスの影響で家計が急変したことを理由にした申請が4月末までの1カ月間で約1000件に達したことが、文部科学省への取材で判明した。経済活動の自粛などで家庭の収入が減るなどして苦境に陥る学生が急増している実態が浮き彫りとなった。
今年度から始まった同制度は、両親と学生本人、中学生の4人構成のモデル世帯の場合、年収約380万円までは入学金や授業料の全額または一部が減免され、給付型奨学金も受けられる。
新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化を受け、4月1日からは「コロナ禍」で家計が急変した場合も支援の対象とした。急変後の月収などをベースとした試算で収入要件を満たすと判定されれば、支援が受けられる。
文科省によると、日本学生支援機構の貸与型奨学金制度にも家計急変に対応する仕組みがあるが、2019年度の1年間を通した申請件数は約1000件だった。文科省の担当者は「制度設計や収入要件が違うので単純な比較はできないが、新型コロナの家計への影響がそれだけ大きいと推察される。学費の支払いなどに困った場合はまずは各大学に相談してほしい」と呼びかけている。【大久保昂】
ソース(2020年5月9日 05時30分)
https://mainichi.jp/articles/20200508/k00/00m/040/262000c