アメリカが新型コロナウイルスは中国の研究所から広がった可能性があると主張し、これに中国が反発して両国の対立が激しさを増すなか、WHO=世界保健機関は、ウイルスがどのように広がったかを調べるため中国への専門家の派遣に向けて調整を進めていることを明らかにしました。
新型コロナウイルスの発生源をめぐってアメリカのトランプ大統領は中国湖北省の武漢にある研究所から広がった可能性があるという認識を示し、これに対して中国は証拠がないと反論して両国の間で非難の応酬が続いています。
こうした中、WHOの技術責任者のバンケルコフ氏は6日、スイス・ジュネーブの本部での定例記者会見で「感染拡大の初期に何が起きたのか調べるため、再び中国に専門家を送れないか議論している」と述べ、中国への専門家の派遣に向けて調整を進めていることを明らかにしました。
また、ヨーロッパで最初に感染者が確認された1月24日よりも前の、去年12月27日にフランスに感染した肺炎患者がいたことについては「12月に武漢から感染者が別の場所に渡航した可能性があるが、推測するのではなく、詳しく調べることが大切だ」と述べ、調査する考えを示しました。
このほか、WHOに加盟していない台湾が今月18日からの年次総会にオブザーバーの資格での参加を目指していることについてウォルトン法律顧問は「台湾が参加できるかどうかはWHOの事務局ではなく、194の加盟国が決めることだ」と述べて明言を避けました。
ソース(2020年5月7日 6時29分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200507/k10012419921000.html