《新型コロナ対策》茨城県内大学 教育実習、秋以降へ 「想定外、学生も動揺」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、茨城県内の大学で例年早ければ5月の連休明けにスタートする教育実習が延期を余儀なくされている。主要な受け入れ先の県内小中高校が5月末まで休校となっているためで、学生の感染防止にも配慮した。全学部の4年生計約300人が実習を予定する茨城大では、実施時期を秋以降に変更する方針を決定。教育支援課の担当は「時期の変更は想定外。学生も動揺している」と困惑する。
教育実習の秋以降への延期は、教員養成の質向上を目的に連携協力協定を結ぶ、茨城、常磐、茨城キリスト教の3大学と県教委で協議して決めた。
茨城大では例年、人数の多い教育学部が初夏の5、6月と秋の9、10月の2期間に分かれて県内の学校で実施。他学部は主に初夏に出身校で実施してきた。本年度は秋以降に一本化し、県教委などの協力を得て実習先の学校と調整を図る。
一方で、県外の出身校で実習を受ける学生については、調整が難航するケースもあるという。一斉休校で足並みがそろう県内と異なり、県外では休校措置を取らない自治体もあり、一部の学校が例年通り5、6月ごろの実施を求めているためだ。
教育支援課で教育実習の調整などを担う菅谷香さん(52)は「(感染が拡大する)東京や大阪などの大都市を通って地元に帰ることを懸念する学生もいる。時期を変更できるよう(学校側に)丁寧に理解を求めていく」と話す。
教育実習は教員の免状取得の必須要件で、替えが利く授業科目はほかにない。初夏から秋への時期変更はやむを得ない状況だが、学生にとってはさまざまな影響が懸念される。卒業論文の準備や大学院入試と重なるほか、菅谷さんは「教員採用試験の前に実習ができないことへの不安もある」と代弁する。
コロナ禍に揺れる中で「学生たちの精神面のケアが重要」と菅谷さん。登校禁止で遠隔授業に切り替わり、学生が悩みを抱え込むことも想定され、「相談があるまで待たないで、指導教員から電話やメールで声を掛けていきたい」と積極姿勢で臨む。
茨城新聞社
5/4(月) 8:00配信
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15885140298490